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「沖縄の民意に力」 大江健三郎氏(沖縄)

2012年9月8日 - スタッフ公式
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「沖縄の民意に力」 大江健三郎氏が本紙に語る」
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オスプレイ配備反対の県民大会について、「沖縄の市民デモには米国を説得する力があるはずだ」などと語る大江健三郎さん
=東京都内の自宅で
 【東京】
復帰前に著した「沖縄ノート」など沖縄とゆかりの深いノーベル文学賞作家の大江健三郎さん(77)が、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に反対する9日の県民大会を前に、琉球新報社のインタビューに応じ、大会の開催や自身も関わる東京での脱原発運動との関係など幅広いテーマで語った。
県民大会について大江さんは「沖縄の市民デモには、強大な相手に自分たちの思いを正当に主張し続けてきた実力がある。
今回の集会はかつてなく重要だと思う」とエールを送った。
 聞き手は、本紙の玻名城泰山編集局長。
大江さんは都内の自宅でインタビューに答えた。
 大江さんは、海兵隊員の少女暴行事件に主催者発表で8万5千人が抗議した1995年の県民総決起大会や、同じく11万人が参加した2007年の教科書検定意見撤回を求める県民大会など、自らが足を運んだ過去の大規模集会を挙げ、「本土のデモのモデルにしなければいけないと思ってきた」と印象を語った。
 オスプレイの低空飛行訓練が本土各地でも計画されていることにも触れて、「各地が呼応し、計画を変えさせる契機になるかもしれない。主張を明確に本土に発信してほしい」と大会の意義について述べた。
 首相官邸前で毎週金曜日夜に続く脱原発デモなどに関しては「結果はまだ出ていないが、数万人が自発的に集まるのはこれまでなかったこと。デモに力があることを沖縄から学ばないといけない」と期待した。
 脱原発世論の高まりに対し、「潜在的な核抑止力」として原発維持を求める論調があることに関しては「核の威嚇・抑止はいつまでも続かない。事故は防げるという信仰も同様だ」と指摘し、米国の「核の傘」や原発との決別が唯一の被爆国の使命だと訴えた。
 尖閣諸島をめぐる日中両国の対立などを契機に、防衛力強化のためにオスプレイの必要性を強調する意見があることには「対中関係などの国際情勢をむしろ緊張させる方向にかじを取っている」と批判した。
  琉球新報

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