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 ものづくりネット (沖縄)

2012年9月8日 - スタッフ公式
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県内製造業と連携で成果 ものづくりネット
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先端機器を操作する県出身の技術者、比嘉美緒野さん
=8月1日、うるま市・ものづくりネットワーク沖縄
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これまで県外企業に修理加工を委託してきた拓南製鉄の
工場用機械部品=8月30日、うるま市・拓南製鉄新中城工場
 製造業分野の人材育成や研究開発を手掛ける一般社団法人ものづくりネットワーク沖縄(うるま市、金城盛順理事長)で、拓南製鉄(那覇市)や金秀アルミ工業(西原町)など県内企業との連携事業が始まっている。
これまで、県外の業者に発注しなければならなかった業務の一部をものづくりネット社に委託。県内で機械を修理・加工したり、試作品を製作したりすることができるようになり、商品開発や輸送にかかるコストの抑制につながっている。
(座安あきの)
 ものづくりネット社の施設内には、県内唯一の熱処理炉やNC複合旋盤、高速・5軸マシニングセンタなど機械加工や金型製造に使われる先端機器がそろい、高度で精密な製品加工に対応することができる。
うるま市の賃貸工場に進出した県外の金型メーカーの技術者が県内の若手人材の技術指導で協力。複雑で多様な加工技術に対応できる人材が育ちつつあるという。
 県出身の技術者として働く比嘉美緒野さん(20)は沖縄工業高校を卒業後、金型センターの人材育成事業などで基礎技術を学んだ。
比嘉さんは「単にお客さまの希望する品をつくるのではなく、いかにコストを抑えた製品を提案できるかも試されている」と仕事へのやりがいを語る。
 県内の製造業関係者もこの動きをチャンスととらえている。
拓南製鉄工務部の知念正元部長は「長年、金型産業が沖縄にできることを待ち望んでいた。活用の頻度はこれからもっと増えてくるはずだ」と強調する。
 同社は創業以来、自社では対応できない機械部品の修理・加工を大阪や九州など県外業者に依頼してきたが、ものづくりネット社の事業スタートに合わせて一部の発注先を同社に変更。
従来の修理より納期が大幅に短縮された上、3割以上のコスト削減につながっているという。今後は若手社員の人材育成でも連携を求める方針だ。
 県内で唯一アルミ押出型材を製造する金秀アルミ工業は、ものづくりネット社と共同で設計段階からダイス金型の開発に取り組み、現在4作目を製作中。
毎年、県外業者向けの発注で4000万~5000万円の予算を組んでいるが、県内製造の割合が増えれば、コスト削減と同時に県内雇用や産業の拡大につながるとみる。
 同社押出課の吉山仁課長代理は「県出身者の技術力が1年前と比べ、目に見えて向上している。沖縄に足りなかった品質の良さと技術力がつけば、沖縄の金型産業はさらに注目される存在になる」と期待を込めた。
  沖縄タイムス

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