慰安婦問題解決訴え 祈念碑建立4周年の集い
祈念碑に献花する尹貞玉さん(左)と中原道子
早稲田大名誉教授=2日、宮古島市上野野原
【宮古島】
2008年9月に宮古島市上野野原に建てられた日本軍「慰安婦」祈念碑の建立4周年の集いが2日、同祈念碑前で開催された。地元住民のほか、韓国挺身隊問題対策協議会の元代表である尹貞玉さんや中原道子早稲田大名誉教授らが参加し「一刻も早い日本政府による謝罪や補償が必要だ」と問題解決を訴えた。
宮古島には、大戦中に3万人の日本軍が駐留していた。
これまでに17カ所の慰安所が存在したことが証言や調査により判明しているという。
碑には、韓国や中国など旧日本軍によって被害を受けた女性たちの故郷11カ国と、ベトナム戦争時に韓国軍による被害を受けたベトナムの合計12カ国語で「全世界の戦時性暴力の被害者を悼み、二度と戦争のない平和な世界を願います」と記されている。
同市上野野原で生まれ育ち、戦時中に「慰安婦」の女性たちが洗濯からの帰り道に休んでいる姿を見たことがあるという与那覇博敏さん(79)は「戦争を体験した僕たちの世代には、戦争を二度と起こしてはならないと子や孫に伝えなければならないという使命感、責任感がある」と話した。
同日午後からは、同市中央公民館で「慰安婦」問題を考える集いが開かれた。尹さんは「ハルモニ(おばあさん)たちが心から望んでいるのは、賠償というより日本政府が事実を認め、心から謝罪することだ」と話した。また、忘れたいけれども忘れられないような深い悲しみを示す「恨(ハン)」という言葉について「若いころは嫌いだったが、今になって分かるようになった。
恨を晴らすために、日本政府に謝罪を求めていくことは、生命が続く限り叫び続けていかなければならない宿題だ」と話した。
中原名誉教授は「この問題が女性の人権を守るためという認識が日本にはない。だから、すぐに歴史問題だけになってしまう」と指摘し、「ハルモニたちが生存している間に何とか解決したい」と話した。
琉球新報