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長寿の絹糸かりゆしに 新100歳 (沖縄)

2012年9月14日 - スタッフ公式
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長寿の絹糸かりゆしに 新100歳の平良さん、半世紀保存
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平良ウトさん(前列中央)の糸で作られたうらそえ織のウエアを身に着ける秀敏さん(同右)、秀昭さん(同左)=11日、宜野湾市の高齢者賃貸住宅よつ葉の里
 【宜野湾】
10月5日に100歳の誕生日を迎える平良ウトさん(99)=大宜味村謝名城出身、宜野湾市在=が今から50年近く前、石垣島で織物をしていたころに紡いだ絹糸を使って、うらそえ織結の会(比嘉英子会長)が色とりどりのかりゆしウエア4着に仕上げた。
 さまざまな経験と思いが込められ、長年大切に保管された「長寿の糸」で作られたウエアは11日、息子や孫に贈られた。
平良さんは「何とも言えない気持ち。いいのができた」と目を細め、袖を通した三男秀敏さん(70)、孫の秀昭さん(42)は「肌触りがいい」と喜び、新100歳のお祝いの日にそろって着る予定だ。
 大正元年生まれの平良さん。芭蕉布が有名な大宜味で幼少時に織物の技術を身に付け、15歳から静岡の紡績工場で働いた。
結婚後、南洋のパラオへ渡り、戦時中は幼い子どもたちを連れて防空壕を逃げ回るつらい日々も経験した。
 戦後は謝名城に引き上げた後、1953年に家族で石垣に移住。石ころだらけの畑を耕し、陸稲や落花生、パイン、サトウキビなどを作りながら、子ども7人を育て上げた。
 平良さんが約50年前に始めた養蚕の糸が昨年まで住んでいた石垣の家で見つかったことを機に、結の会に相談。
半世紀近く前の古い糸を織子らが精練し、フクギで下染めした後、光沢のある緑や青、からし色のウエアが完成した。
 息子3人と孫のウエアの完成に、平良さんは「自分でもよく糸を取っていたと思う。木綿と違っていつまでも残る」と喜んだ。
 今も元気で針仕事が趣味の平良さん自身にも、結の会から巾着や布が贈られた。織子の金城良子さん、池原恵子さん、粟国佳美さんは「健康と長寿のパワーをもらった」と語った。
  琉球新報

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