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手作り知花花織、米寿の母に贈る(沖縄)

2012年9月28日 - スタッフ公式
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手作り知花花織、袖通し笑顔 又吉さん、米寿の母に贈るnull
娘の又吉朝江さん(前列左から3人目)手作りの知花花織
の着物を着け、数え88の米寿を祝う赤嶺キクエさん(前列中央)=22日、うるま市与那城屋慶名の赤嶺キクエさん宅
 【うるま】
うるま市与那城屋慶名に住む赤嶺キクエさん(86)の数え88歳を祝う米寿が22日夜、赤嶺さん宅で開かれ、親族や友人らが詰め掛けた。
祝いの席で赤嶺さんは、自身の娘で国指定伝統工芸品の知花花織の織り手・又吉朝江さん(62)が6月から織り続けた知花花織の着物を着けた。
娘の愛がこもった着物に袖を通した晴れ姿の赤嶺さんは「きれいだね」と笑顔。にぎやかな三線の音が響く中、長寿の喜びをかみしめていた。
 又吉さんは販売員から転職し、知花花織の織り手となった10年前から、母に贈る着物を織ることを目標にしていた。
約4カ月間の着物製作期間中は、朝から夜まで沖縄市の知花花織事業協同組合で織機に向き合ってきた。
着物の着尺は今月11日夜から日付をまたぎ、12日午前0時半に織り上がった。
又吉さんが最後の糸を切った瞬間、そばで見守っていた組合の職員や織り手仲間たちが、「やった」「上がった」「生まれた」と叫び、自分のことのように喜んでくれたという。「みんなの支えがなければ、完成しなかった」と又吉さんは周囲に感謝した。
 その着物を贈られた赤嶺さん。「初めは(又吉さんに)『こんなに貴重なものは、売ってお金にした方がいいよ』と言っていたが、織ってもらうと、やっぱりうれしいねぇ」とにっこり。
長寿の秘訣(ひけつ)は「いつも外に出て友達と楽しむこと」と言い、この日も駆け付けた三線クラブの仲間たちが披露する三線や踊りに手拍子を送り、自分も今にも踊り出しそうな雰囲気。「上等な着物をもらい、親族や友達もたくさん集まって祝ってもらい、こんな幸せなことはない」と頬を緩ませていた。
(島袋良太)
  琉球新報

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