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台風 キク・ピーマン8割壊滅 (沖縄)

2012年10月12日 - スタッフ公式
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台風と塩害 キク・ピーマン8割壊滅
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台風が去ってしばらくして枯れ始めたピーマン
=11日、八重瀬町
 台風17号の通過後、農作物の塩害が徐々に広がっている。台風の返し風を受けた後に雨が降らず、葉に付いた塩が洗い流されずに葉枯れを招いた。
12月に出荷ピークを迎えるキクは8割、10月に収穫開始予定だった沖縄本島南部のピーマンは9割が壊滅状態になるなど、日ごとに塩害が深刻化。
新たに植え付けようにも、苗の追加注文が殺到して不足が生じ、再生産に暗雲が立ちこめる。農家は「前代未聞の被害」と頭を抱えている。
 (榮門琴音)
 県花卉(かき)園芸農業協同組合販売部の園田茂行部長は「全容がまだはっきりしない」と困惑する。
塩害は農作物が倒れたり折れたりする目に見える被害と違って、日がたってから現れるからだ。
 キクの例年の11月の出荷は週3回、多い日には20万本だが、現段階では8万本にとどまる見込み。
回復まで半年から1年かかる場合もあり、先行きは見通せない。園田部長は「今から植えても12月には間に合わない。
3月のピークには間に合うように頑張ろうと農家を励ますしかない」と話す。
 再生産に向けた苗の調達も難しい。同組合には台風17号が去った翌日、農家からの苗の追加注文が年間の約10%に当たる130万本に上った。すべてに対応できない恐れがあるという。
 園田部長は「輸入品が出回る気配がある。ここで輸入品の入り口をつくってしまうと来年にも影響する。客の要望に応える努力をしないといけない」と話した。
 JAおきなわ南部地区営農振興センター野菜果実指導課の山内昌盛課長は「8~9月に植えたピーマンはほぼ全滅。植え付けが後ろにずれるので、収穫期間は短くなる」と説明。寒くなると収量もおのずと減るという。
 八重瀬町のピーマン農家の男性(52)は「青々としていたが1週間後には枯れ、4割が駄目になった。時間も労力もかかるし、収穫前だったので落ち込む。台風はもう来ないでほしい」と吐露。台風17号の返し風は、農作物だけでなく施設にも被害をもたらした。別の農家は「台風対策のための資材の補助が必要」と支援策の充実を求めた。
  沖縄タイムス

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