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塩川の芸能(多良間八月踊り)国立劇場おきなわ

2012年10月16日 - スタッフ公式
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塩川の芸能(多良間八月踊り)、国立劇場で初公演
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八月踊り字塩川の組踊 「多田名組」 の一場面
=14日、 国立劇場おきなわ
  【那覇支局】
国立劇場おきなわの民俗芸能公演 「多良間島の八月踊り塩川の芸能」 が14日、 浦添市の同劇場で行われた。
多良間村字塩川から総勢65人が出演し、 組踊 「多田名組」 をはじめ獅子舞や端踊りなどを披露。 地謡座が奏でる三線とともに国立劇場の舞台でピトゥマタ御願所の奉納踊りを再現した。 字塩川の踊りが島を出るのは2002年の首里城公演以来10年ぶり。 会場には大勢の郷友も訪れ、 懐かしい踊りに郷里への思いを馳せていた。
 午後2時、 地謡座が奏でる三線の響きを伴い幕開けの獅子舞が荒々しく会場の厄を払い踊りの始まりを告げた。
この日出演する全員を観客に紹介する 「総引き」 に続き、 長寿の大主が 「慈雨で作物は豊作に恵まれて納税も無事できた。 その喜びを祝い遊ぼう」 と口上を述べ、 妻や子、 孫をひき連れて数々の踊りを楽しんだ。 端踊り座からは若衆踊りと女踊りが演じられ、 このうち女踊りは3人が中央に向かい波が打ち寄せるように四つ竹を鳴らす 「天川」 を踊った。
 組踊 「多田名組」 は多田名大主に討たれた上原の按司の子どもたちが仇を取る物語で約2時間の本格的な演目となった。 今回はイスや傘を持って大主に付き従う役の中学生が参加できないため、 浦添市に住む安里太志・太貴さん兄弟 (19) が代わって出演。
踊りを通して郷里との絆を確かめていた。 最後の総引きでは全出演者が達成感に満ちた表情で踊りながら舞台上を1周し、 観客も大きな手拍子でフィナーレを盛り上げた。
 踊りを鑑賞した字塩川出身の本村正一さん (80・那覇市) は 「20歳のときに参加したことがある。 60年ぶりに見ることができて涙が出た。 すべて良かった。 故郷をなつかしく思う」
と感極まった様子。 また池原静子さん (旧姓池間、 78・浦添市) は 「本島で暮らして50年。 八月踊りの時期に帰郷したことがない。 歴史を感じとても感動した。 故郷を思い出した」 と笑顔で話した。
 字塩川の豊見城正一会長は 「設備や音響が良く非常に映える舞台だった。 踊り手たちもよく踊っていた。 島を出てやるのはめったにないことで大変だったが、 場所が変わっても基本はしっかりとできた。 今後の良い励みになると思う」 と感想を述べた。
 同劇場では沖縄の民俗芸能を紹介しようと年2回、 本島や離島各地の芸能公演を行っている。 字塩川の芸能は初公演となったが、 大ホール580席は完売で 「大入り」 となった。
劇場内では多良間の物産販売コーナーも設けられ、 かちわり黒糖やパナパンビン、 ヤギ汁などが飛ぶように売れていた。
 宮古新報

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