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サンゴの再生可能に (八重山・沖縄)

2012年11月2日 - スタッフ公式
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サンゴの再生可能に 水産総合研究センター
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増殖技術を開発、幼生の平均生存率18%
 独立行政法人水産総合研究センターは1日、「人工的に生産した造礁サンゴの幼生を高い確率で着生・生育させる増殖技術を開発した」と発表した。
八重山など沖縄のサンゴ礁は、海水温上昇による白化現象やオニヒトデ食害などで厳しい状況にあり、再生が急務の課題とされている。だが、これまでの増殖研究では、自然環境下での生存率が1%程度にとどまっていた。
それが今回、世界で初めて平均生存率18.1%に高められた。この技術により、岩盤の乏しい砂地やガレ場のような海底でも「手間をかけずにサンゴ群集を修復・造成することが可能」としている。
 研究は石垣市内の西海区水産研究所亜熱帯研究センターと、国内大手グレーチングメーカーの(株)ダイクレが、2007年から共同で行った。
 サンゴの移植は生き残りが極めて低く、大規模に実施するにはダイバーの人件費もかさんで効果が疑問視されている。
これに対してサンゴの幼生を利用した増殖技術は一度に大量の幼生を運ぶことができ、海底への接着はサンゴ自ら行うため、大規模な修復向きとして期待されている。
 しかし、幼生の着生に成功しても、半年後には1%程度しか生存せず、実用化が困難だった。
 今回の共同研究は、枝状のミドリイシ属サンゴを主な修復対象とし、着生した直後の稚サンゴが生き残りやすい増殖用基盤の開発に取り組んだ。
 生存率を高める方策として(1)幼生の最適な密度
(2)基盤の2段重ね(3)格子間隔などの改良を行い、
昨年5月に小浜島南に設置したところ、着生から約1年3カ月後に平均18.1%の生存を確認した。
 これまで水槽で移植用種苗を生産する試験では、生存率約60%という報告例もあるが、実際に海で手を加えずに実験した増殖サンゴが10%以上生存していたのは世界で初めて。
 この技術は今月22日から東京大学で行われる日本サンゴ礁学会で発表される。
 八重山ではサンゴ礁の減少で魚類の資源枯渇も深刻化
しており、再生技術の進展が期待される。
  八重山毎日新聞

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