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“ヤギ”で認知症ケア (OKINAWA)

2012年11月20日 - スタッフ公式
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“ヤギ”セラピーで認知症ケア
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メェ~と鳴き声をあげるヤギ(ヒージャー)に囲まれる認知症のお年寄りら。普段は歩かない人が歩きだしたり、表情がこわばった人が笑顔をみせたりしていた=那覇市天久の天久台病院
 沖縄ならではの身近な生き物ヤギ(ヒージャー)をアニマルセラピー(動物介在活動)として活用する珍しい取り組みが県内で始まった。
犬をはじめとする動物との触れ合いを心のケアに生かす活動で、今回はヤギを介することから「ヤギセラピー」。
家畜として親しみ、祝いの場で食した認知症のお年寄りも多く、触れ合いを通して歩きだしたり、表情を取り戻す効果も挙げている。
(福井悠介)
 「メェ~」。今月7日の昼すぎ、那覇市天久の病院中庭。16頭のヤギが、認知症などでデイケアに通うお年寄りらから、餌になる草をもらっていた。
 「普段は自分がどこにいるか分からず混乱している人が、ヤギをヤギとして認知している。現実とつながった瞬間です」。ヤギセラピーを発案した天久台病院の作業療法士、東江悟さん(40)は、少し体を前にかがめながらヤギをなでる男性を見て喜んだ。
 「かわいい。昔は食べました」「畑から餌持ってきて。芋のつるをやったりした」。認知症のお年寄りも昔を思い出して会話が弾み、表情も普段より緩んだ。じっとしてばかりいたのに、ヤギを見て歩きだす人もいる。
 東江さんは「ヤギのつぶし方でも何でも、昔のことを思い出す時間が1分でも1秒でも長くあった方が、認知症の進行を遅らせることができる」という。
 この日はデイケアの利用者ら100人以上がヤギと触れ合った。認知症以外にも、うつ病や統合失調症の患者にも効果があるか、定期的にヤギセラピーを続けていく予定だ。
 いつも東江さんが散歩に出掛ける那覇市識名の大石公園で、ヤギが飼われているのを見て、セラピーを思いついた。協力を申し出た飼い主で大石公園ヒージャー愛好会の大城永一会長(65)は、笑顔でヤギと触れ合うお年寄りを見て「涙が出るほどうれしい。沖縄にはヤギ文化がある。病と闘う方に少しでも役立てればいい」と喜んでいる。
  沖縄タイムス

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