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あきらめと不安、交錯(八重山・OKINAWA)

2012年12月14日 - スタッフ公式
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あきらめと不安、交錯
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 「本当にやめてほしい」―。
北朝鮮が人工衛星と称するミサイルを発射した12日、市民の間からは不安や憤りの声が聞かれた。「なるようにしかならない」とあきらめの声も。発射予告前から予定していた通りに石垣へ遊びにきた観光客は「落ちなくて良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 「いつまた…」
 歯科医院の待合室のテレビで知ったという女性(70代)は「こんな寒い時期で北朝鮮の国民が苦しんでいるのに、ミサイルなんか発射している場合ではないと思う。もっとほかのことに目を向けてほしい」と苦言。
 発射の速報があった時に八重山病院にいた平良辰夫さん(60)によると、「看護師が窓を閉めて」と言っていたが、混乱はなかったという。平良さんは「けさの報道でもミサイル解体と言っていた。北朝鮮にだまされた感じだが、気にはならなかった。なるようにしかならない」と淡々と語った。
 発射から1時間余りたった午前11時ごろ、娘の和香奈ちゃん(2)と市内のスーパーに買い物に来た田口一美さん(34)は「急すぎて一瞬何が何だか分からなかった。何もなかったから良かったけど、いつまた発射されるか分からない。もういいかげんにしてほしい」と話した。
 発射情報知らず
 石垣市役所の窓口案内職員によると、市役所内では発射直後は、来庁者と職員は発射情報を伝えるテレビにくぎ付けとなっていた。本紙記者が午前10時すぎに来庁したときには落ち着いた雰囲気に戻り、発射の情報を知らずにいた市民も。
 記者の問いかけで初めて発射を知った玉城政高さん(65)は「発射されたの?車の中だったから(市役所の緊急情報が)聞こえなかった」とぽかんとした後、「こうなったら自衛隊に常駐してもらったほうがよい」と語気を強めた。
 石垣港の岸壁で自衛隊の様子を見学していた男性(40代)は「(発射を)ラジオで聞き、どうなるのか気になった。不安はあったし、実際、恐怖を感じた。北朝鮮には国や県、市がしっかりと対応してもらいたい」と話した。
 観光中に遭遇
 大阪から観光で石垣島に来たカップルは市内で買い物中、たまたま携帯電話でテレビを受信していて、発射情報が飛び込んできた。男性(34)は「以前から(旅行が)決まっていたので、仕方ないが、本当に飛ぶとは思わなかった」。女性(32)は「あっという間だったんで、実感はないが石垣島に落ちなくてよかった」と話した。
八重山毎日新聞

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