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専門家「自賛アセス」批判 (辺野古評価書:OKINAWA)

2012年12月19日 - スタッフ公式
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辺野古評価書:専門家「自賛アセス」批判Tweet
 米軍普天間飛行場の辺野古移設に向け、沖縄防衛局が環境影響評価(アセスメント)手続きの仕上げとして県などに提出した補正評価書。
「環境への配慮は適正」と、これまでも批判されてきた自画自賛の姿勢はそのまま残った。専門家は「原子力行政と変わらない」「環境影響を認識しながら、なぜ事業を進められるのか」と批判した。
 補正評価書はジュゴンについて、100年後の絶滅可能性は基地があってもなくても「統計学上の有意差はない」とした有識者研究会の提言を踏襲した。
国際自然保護連合(IUCN)生態系管理委員会メンバーの岡田吉央さん(47)は「リスクが残るなら建設しない、という予防原則に反した結論」と批判する。
 原発の立地を例に挙げ、「活断層の可能性があるのに『リスクが低いから建設してもいい』とお墨付きを与えた昔の原子力安全委員会と、今の防衛省の態度は同じ」と指摘した。
 低周波音については、オスプレイなどに加え、新たに2機種で予測し、基準値を超えるとした。琉球大の渡嘉敷健准教授(環境工学・騒音)は「基準値を超えたままで、事業を進めるのはおかしい。評価書段階の問題を修正せず、不完全だ。基準値を超えないよう、飛行ルートを再検討するのがアセスではないか」と疑問を投げ掛けた。
 さらに、「オスプレイはすでに配備されている。普天間や辺野古の高専で問題になっていることを考慮すれば、予測ではなくデモフライトで確実に測定すべきだ」と求めた。
 桜井国俊沖縄大教授は、「結論ありきの『当てはめるメント』だろう」と内容を推測する。方法書段階で住民が意見を言う機会を奪われたことを指摘。「違法状態を積み重ね、既成事実をつくるのはアセス法違反だ」と厳しく批判した。
 今後、政府が公有水面埋め立て承認申請をした場合、「知事や地元の名護市長、市議会は拒否するだろう。沖縄への全国的な逆風が吹くことも予想される」と懸念した。
「民意無視の手続き」
移設反対住民、警戒強める
 【名護】沖縄防衛局の環境影響評価(アセスメント)補正文書提出に、移設に反対する住民らは「次は公有水面の埋め立て申請が出てくる。正念場だ」と警戒を強める。
 名護市辺野古・豊原・久志の移設に反対する住民でつくる「命を守る会」の西川征夫代表は「県民に理解を求めると言いながら、民意を無視して手続きを進める政府のやり方に憤りを感じる」と語気を強めた。
 今後は公有水面の埋め立て申請が焦点。「知事も自民の当選者も『県外』を主張している。知事は埋め立てを認めないと信じているが、万が一のことがあれば、島ぐるみの闘いになる」と訴えた。
 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「知事に揺さぶりをかける第一歩だ。アセスの補正も、国に都合のいいように書かれているのだろう」と指摘。その上で「来年は埋め立て申請が出される。正念場の一年になる」と気を引き締めた。
 条件付きで移設を容認する辺野古区代替施設安全協議会の許田正武代表理事は「自公政権にとっては、やり残した課題。今後も粛々と手続きを進めてくるだろう」とみる。
 一方で「自民党本部と県連で移設方針にねじれを抱え、オスプレイが配備されるなど、同じ自公政権でも4年前とは状況が違う。ねじれを解消し、県民に納得のいく説明が必要ではないか」と語った。
  沖縄タイムス

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