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「被害者感情に共感を」 (宮古島・沖縄)

2012年12月25日 - スタッフ公式
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「被害者感情に共感を」
/福祉保健所主催デートDV防止で講座

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重永さん(左)の講話を聞く参加者たち
=22日、県宮古事務所2階講堂
 宮古福祉保健所主催による支援者のためのデートDV防止対策講座「思春期を支えるために~支援者ができること~」が22日、県宮古事務所2階講堂で開かれた。子どもへの暴力防止の取り組みを行っている福岡のNPO法人にじいろCAP(キャップ)のメンバー3人が講師を務め、暴力は力の不均衡から生まれること、支援者は被害者の嫌と言えない感情に共感することが必要などとする考えを示した。
 ドメスティック・バイオレンス(DV)とは、配偶者からの暴力のことで、デートDVは結婚していない男女間での暴力を指す。
今講座は、教師や保育士、相談員など子どもたちからの暴力に関する相談業務や支援に携わる人など約30人が参加した。
NPO法人にじいろCAPからは重永侑紀さん、伊東みさきさん、斉藤望さんが出席。主に講師を務めた重永さんは、思春期の期間について小学校4、5年生から21、22歳ごろまでとし、揺れ動く思春期に支援者が人間関係を築く応援をすることで、デートDVを未然に防げるようになるとの考えを示した。
 暴力は、力の不均衡があるところに発生すると語る重永さん。「嫌と言えない状況があるから暴力が生まれる。被害者は嫌と言えないことに罪悪感を感じ、自分が悪いと思ってしまう。嫌と言えない感情に共感し、『嫌と言え』ではなく「嫌と言ってもいいんだよ』と言ってあげるべき」と指摘した。
 けんかが起きた場合、犯罪のようにどちらが悪いか調べるのではなく、どんな理由があっても気持ちを暴力で表現してはいけないということを伝えることが必要との持論を紹介。「自分の暴力を正当化するのがDV。どんな関係性の中でも暴力は必要ない」と訴えた。
 親戚や地域のつながりが強い宮古島について重永さんは「共生を大事にしている文化」と思春期の子どもたちを地域で支える環境が今もあると評価。「困っている人、我慢している人がいたら、解決しようとするのではなく、話を聞いてあげてほしい」と呼び掛けた。
 同講座は、県DV総合対策支援事業の未然防止対策事業の一環として開かれた。
.宮古毎日新聞

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