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かまぼこ一筋50年 年の瀬も (沖縄)

2013年1月1日 - スタッフ公式
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半世紀以上かまぼこを売り続けている95歳の富村政子さん
=30日、那覇市の牧志公設市場
 年の瀬の買い物客や観光客でごった返す那覇市の牧志公設市場。かまぼこを販売する市場最年長の富村政子さん(95)=那覇市=は30日も、かっぽう着姿で店に立ち、手伝いにきた娘や孫と一緒に、客への応対に追われていた。
「市場で最後の年末になるかも」。高齢ゆえ来年初めには「引退」も考えており、半世紀以上の市場人生に幕を下ろそうとしている。
 夫の基盛さん(故人)の勧めで、義理の姉のかまぼこ店を引き継いだのが1958年。商売の経験はなく、「社会勉強のつもりで」と始めたが、その夫が翌年に急逝。その後は、かまぼこ販売一筋で家計を切り盛りし、女手一つで1男3女を育てた。
 スーパーが増えるなどして客足が減り、店を閉めようと思ったこともたびたびあったという。だが、家計を支えてきた商売は、子どもたちの成長とともに、生きがいや楽しみに変わった。
 昔、親に手を引かれて買い物に来ていた子どもが、今では大人になって子や孫を連れて来る。「お母さんに会いに来たよ」「元気でよかった」と言ってくれるのがうれしい。
 「私から市場をとったら何もないからね」と話すが、来年4月の営業許可の更新を前に店じまいを考えている。「50年以上も『いらっしゃい』と頭を下げていたら、首もまがってしまったからね」
 娘の照屋百合子さん(65)は「市場にいると元気なので、母がやめると言い出すまでは、と思ってきた。元気で家でゆっくりしてほしい」と、母の労をねぎらい、感謝した。
(宮城栄作)
  沖縄タイムス

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