メニュー

76歳が 「沖縄魂学んだ」(OKINAWA)

2013年1月4日 - スタッフ公式
LINEで送る
Pocket

76歳が空手師範に「沖縄魂学んだ」
null
「師範になるとは、思ってもいなかった」と練習に明け暮れた日々を振り返りながら上地流独特の攻撃の構えをとる金城敏昌さん
 30~40代で取得することが多い空手の師範免許を、県出身で大阪府に住む金城敏昌(びんしょう)さんが76歳で取った。
60歳で上地流空手道に挑戦した金城さん。「挑戦に年齢制限はない。『年だから』と諦めないで」と呼び掛けた。
(國吉聡志)
 金城さんは南風原町出身。18歳で大阪に渡り、30歳で石油販売業を始めた。タンクローリーを運転して、近畿地区に販路を拡大。60歳を前に息子に後を継がせて引退することを考え始めた。
 ところが「仕事第一だったので、退職後は何をしたらいいのか」と老後に打ち込むものが見つからない。農業や登山に挑戦したが、続かなかった。
 そんな中、ひょっこり帰った沖縄で「上地流那覇南修武館」の島袋春吉館長(57)と出会った。「いい機会だから、心技体をもう一度鍛えよう」と軽い気持ちで同館の門をたたいた。
 しかし、厳しい練習に老体が言うことを聞かない。突きや蹴りに力が入らず、指導役の有段者に、さじを投げられた。
だが「一挙一動に心が洗われていくようで、これこそ求めていた『生きがい』だ。くじけてなるものか」と、島袋さんに頼み込んで毎日練習後の2時間、マンツーマンで特訓した。
「すぐやめるだろう」と笑っていた島袋さんも日々上達する金城さんを見て真剣に教えるようになった。
 2002年に初段を取得。昨年11月には、宜野湾市にある上地流宗家で5段の昇段審査に合格、師範免許を取得した。審査員の1人を務めた島袋さんによると、ほかの審査員から「本当に76歳か」と驚きの声が上がったという。
 現在、修武館の大阪支部長として4人の門下生を教える。
今年夏に会社を息子に引き継いだ後は空手に専念する。
「この年でウチナーンチュの魂を学べて幸せ。古里を感じながら余生を送れる」と意気込んでいる。
 沖縄タイムス

LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です