市教委、「大和井」で環境整備
宮古島市教育委員会は、 昨年末に国指定史跡 「大和井」 で台風により倒された木を撤去したほか、 石積みの雑草を刈り取るなどの環境整備を行った。
同史跡では年に4回の清掃活動を行っているが、 今回は台風による倒木が多くあることから緊急環境整備として予算を組んで、 市シルバー人材センターに業務委託した。
環境整備後、 大和井の入り口から井戸に向かう場所はきれいになり、 広々とした空間が見える。 また井戸に降りる階段や石積み付近の雑草が刈り取られて、 従来の姿を取り戻した。
大和井について、 「雍正旧記」 では1720年頃に掘られたとある。 井戸の周りには大小の切り石を円形に積み上げ、 上り下りする通路には石段が設けられている。
伝承によれば首里王府派遣の在番役人など一部の住民のみが使用し、 一般の人々には開放されなかったといわれている。 かつては泉に至るまで2カ所の門があり、 水守りもいたとの言い伝えもある。 南島の人々の水との関わり合い、 石工技術の高さを示す石造遺跡として類例のないものと評価されている。
宮古新報