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沖縄問題核心突く授業 (大阪・縄手東小・OKINAWA)

2013年1月16日 - スタッフ公式
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沖縄問題核心突く授業 大阪・縄手東小Tweet
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風船やたこ揚げの合法性について話し合う縄手東小の6年生。
2月には1人4千字の「卒論」を提出して締めくくる。
後方は澁谷教諭=昨年12月14日、大阪府東大阪市
 オスプレイの配備に象徴される沖縄の過重な基地負担や歴史を、大阪府東大阪市の縄手東小学校の6年担任、澁谷(しぶたに)友和教諭(36)が「大人並み」に濃密な総合学習の授業で伝えている。危険なヘリの飛行を止めようと米軍普天間飛行場周辺で県民が続ける風船揚げなど直近の動きも題材に。
児童は沖縄問題の核心を突く授業を通し、大人たちが素通りしがちな、沖縄と本土の関係性を考えようとしている。
(新里健)
 風船揚げを取り上げたのは昨年末。澁谷教諭は「米軍基地内に航空法は適用されないから違法にならない」という県民の声と沖縄防衛局の「控えてほしい」、防衛省の「米軍に影響を与えたら威力業務妨害」、米軍の「米連邦法違反で軍隊員と住民の安全を脅かす」という意見を紹介した。
 児童は互いに話し合い、「日本の出来事だし日本の法律で考えればいい」「アメリカが口出しする必要ない」「防衛局と省の話が違うのは変」「住民の安全を脅かしているのは米軍の方」と活発に意見を出した。
 澁谷教諭が授業で沖縄を扱い始めたのは6年前、沖縄を旅行して広い米軍基地に衝撃を受けてからだ。
授業は10月~2月の週2コマ。大阪在住の元ひめゆり学徒隊員を講師に招いたり、読谷村の古堅南小学校と児童同士が文通や動画電話で交流した。新聞記事も切り抜く。
 5年目の本年度はジャーナリスト屋良朝博さん(50)の助言を受け「中国や朝鮮半島に近い」「訓練しやすい」「基地で経済が潤う」など国が強調する米海兵隊の沖縄駐留理由を授業で検証。日本と独伊の対米地位協定の違いも検討した。
 岡秀道君(12)は「基地は各都道府県に1年ずつ、代わりばんこに置いたらどうか」、露崎菜月さん(12)は「こっちが基地を受け入れてないから沖縄が苦しんでる。差別って言われても仕方ないかも」。
 澁谷教諭は「気づきが学ぶ意欲につながる。沖縄と完全に理解し合うのは難しいが、だからこそ私たち本土側が自分の足元で考えようとする姿勢が大事なのでは」と話す。
   沖縄タイムス

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