集落内の交通安全対策を 白保地区で切実な訴え
新石垣空港の開港を控え、国道390号沿いの集落から交通安全対策を求める声が挙がっている。
新空港アクセス道路の県道石垣空港線が開通するまでの間、390号で交通量の増大が予測されるためだ。
県八重山土木事務所(松田等所長)が25日夜、白保公民館で開催した石垣空港線事業説明会では「人命にかかわる問題だ」と切実な訴えが相次いだ。特に学校が道路沿いに面している白保地区で懸念が大きく、早急な対応が求められそうだ。
平得交差点から新空港までの石垣空港線は、磯辺から新空港までの2車線区間で1日当たり7500台の交通量が推計されている。単純計算で1時間当たり312.5台、1分当たり5.2台となるが、日中の交通量が多くなるのは確実。県は2016年度の空港線完了を計画しているが、現段階でもかなり厳しいとみられており、国道390号は最低でも3年間、新空港アクセスの主要道路として利用されることになる。
説明会では、子どもをもつ地権者が「アクセス道路の整備が遅れていることに怒りすらおぼえる。開港に間に合えば、白保の国道で交通量が増えることはなかった」と不満をぶつけ、「交通量が増えれば子どもやお年寄りが交通事故に遭う可能性もある。車が集落内でスピードを出さないような対策をすべきだ」、別の地権者からも「人命にかかわる問題なので、できる限りの対策を講じてほしい」と要望した。
具体的には凹凸をつけるなどの路面上の工夫、注意喚起を促す看板の設置、農道を使って最短で新空港に行き来できるルートへの誘導、大型観光バスやレンタカー、大型ダンプカーの通行回避などの対応をとるよう県と市に強く求めた。
県側は、現道路の交通安全対策について検討しておらず、天久茂道路整備班長は「道路維持管理班など関係機関とも調整し、調査させてもらいたい。アクセス道路ができるまで、危険にならないような対策を考えないといけない」と理解を示した。
松田所長は「交通安全対策については答えられる内容を準備していないが、今後、一生懸命検討したい」、大和田豊主幹も「現道路の交通安全対策は見落としていたのかなと反省している。生命が一番大事なので一生懸命頑張る」と応じた。
八重山毎日新聞