助産師歴45年の宮城さん、厚労大臣表彰
宮古島で長年、 助産師として活動する宮城育子さん (67、 奥平産婦人科勤務) =市下地上地=がこのほど、 田村憲久厚生労働大臣から表彰された。
22歳で助産師の道に進み、 45年間で取り上げた赤ちゃんの数は3500人以上という大ベテラン。
周囲から 「達人の域」 と称えられるが、 本人は 「みんなの協力のおかげ」 と謙遜し、 「赤ちゃんの笑顔、 陣痛を乗り切った母親の笑顔、 母子を囲む周囲の笑顔に支えられてここまで続けてこれた」 と物やわらかな笑顔で喜びを表した。
先月22日、 厚労省中央合同庁舎 (東京) で2012年度産科医療功労者厚生労働大臣表彰式が行われ、 個人の部は47都道府県から41人、 県内からは宮城さん1人が表彰された。
旧上野村出身。 上野中、 県立宮古農林高校 (現・宮古総合実業高校) 卒。 一度就職したが、
看護師の道を諦めきれず那覇看護学校 (現・県立看護大学) に進み、 助産学を学んだ。 卒業後は沖縄赤十字病院で約20年間勤務。 現在、 奥平産婦人科に勤務している。
助産師の道を選んだ動機について宮城さんは 「赤ちゃんが大好きだから」 と話し、 「陣痛の苦しみを乗り越えて出産した我が子を見て微笑む母親の笑顔、 母子を囲む家族の笑顔に立ち会った瞬間の喜びが忘れられず続けてきた。
今も私の原動力」 とにこやかに答えた。 これまでに取り上げた赤ちゃんは3500人以上。
「私が取り上げた赤ちゃんに最近、 孫が誕生したと聞いた」 と幸せそうに話した。
表彰を受けたことについては 「私ひとりの力じゃない。 みんなの協力のおかげ」 と感謝した。
陣痛の苦しみで声を発することができない妊婦との意思疎通のために体得したという手話の技能を社会に役立てようと、 手話サークル 「がじゅまるの会」 を仲間と立ち上げ、 社会奉仕活動にも取り組んでいる。
31日には市役所平良庁舎に下地敏彦市長を訪ね、 受賞を報告。 下地市長は 「長年の功績が認められて良かった。 社会奉仕活動に取り組んでいることも承知している。 今後ますますの活躍を期待している」 と宮城さんの大臣表彰を共に喜んだ。
宮古新報