「沖縄犠牲に生きてきた」刺さった記憶展感想
「刺さった記憶」展来場者のアンケート
東京で開かれた「刺さった記憶」展。来場者は沖縄の現状を食い入るように見ていた=1月27日、有楽町朝日ギャラリー
オスプレイの配備撤回を求める東京行動に合わせ、沖縄タイムス社は1月25日から27日まで、東京の有楽町朝日ギャラリーで「刺さった記憶」展(協賛・朝日新聞社)を開いた。来場者約600人のうち、2割に当たる131人が感想を残した。一部を紹介する。
「戦後も復帰後も、犠牲を沖縄の人々に強いることで私たち本土の民衆は生きてきたのですね」。都内の男性(62)は書いた。「政府とそれを支えている私たちの罪は大きいと反省しました」
静岡県の男性(76)も、「海兵隊を沖縄に移転させて以来、本土の人間は米軍の横暴な振る舞いを忘れ去ってしまったのか」と自戒を込めた。
都内に住む県出身の女性(24)は「上京して6年目。沖縄のことを話すと、よく嫌な気持ちにさせられました」という。「伊波普猷の言った『一大塹壕(ざんごう)』(大きな溝)は今も根深くあると痛感しています」とつづった。
栃木県の男性(54)は、子どもが沖縄国際大学に通っているという。「本土では沖縄の事件や事故は正確に伝わらない。沖縄の歴史を学びたいと入学した子どもを見習い、勉強していくつもりです」
北海道で本紙を購読している男性(69)は沖国大ヘリ墜落事故後、自身の選挙区出身の町村信孝外相が「操縦がうまかった」と述べたことを批判。「映画『ひまわり』を一人でも多くの人に語り、観(み)てもらいます」と約束した。
福島第1原発事故の影響が残る福島県いわき市の男性(30)は、原発、基地問題の両方で地元が声を上げる必要性を説いた。「いつか必ず基地の近くで事実をしっかりこの目に焼きつけます」とした。
都内の男性(87)は「棄民という言葉の実感が湧く」。若い世代でも、都内の別の男性(22)が「展示を見て住民の反発と抗議が少しだけ身近に感じられた」とペンを執った。
会場には、子どもの姿も。都内に住む10歳の女の子は「自分がもしこのようなたいけんをしたらいやだなと思った」と、あどけない字で感想を残した。
一方で、「オスプレイ賛成」などと写真展開催を批判する記述もあった。千葉県の女性(60)は「日本人として誇りを持って防衛に当たってください。私たちも感謝しています」とした。
沖縄タイムス