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首相「オスプレイ持ち帰って」 (OKINAWA)

2013年2月3日 - スタッフ公式
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抗議の声、首相直撃「オスプレイ持ち帰って」
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安倍首相が乗った車の列に「オスプレイ反対」を訴えるメンバー=2日午後4時46分すぎ、宜野湾市の嘉数高台近く
 就任後初めて来県した安倍晋三首相は2日、慌ただしく県内を回った。那覇市のホテル内で会った仲井真弘多知事とは振興談議に花を咲かせ、友好ムード。
しかし外では、オスプレイ配備や普天間飛行場県内移設の撤回を求める県民の抗議に直面した。
 【宜野湾】
「安倍総理、オスプレイはあなたの地元、山口県の岩国基地へ持って行ってください」-。2日午後4時55分ごろ、嘉数高台公園の展望台から普天間飛行場を視察する安倍晋三首相に対し、県外移設を求める「カマドゥー小たちの集い」の上原美智子さんが拡声器を使って訴えた。
 公園の一部が立ち入り禁止となったため、オスプレイ配備の撤回を求める市民らは、高台のふもとからシュプレヒコールを上げて抗議した。上原さんはコールをいったん止めさせ、「総理が県民の声に耳を傾けると言うから、私は来た。自分の地元だけ大事にする姿勢は、総理としておかしい」と話し始めた。
 「『沖縄差別ではない』と言うなら行動で示すべきだ。岩国基地で引き取れば、あなたはおじいさん(故岸信介氏)を超える政治家になれる」。上原さんの声は展望台まで届いたが、安倍首相が気にするそぶりはなかった。
 一方、市民らは、展望台に向かい「沖縄を返せ」や反戦歌「ウィー・シャル・オーバーカム」などを合唱。安倍首相を乗せた車の列に「オスプレイを持って帰れ」と要求した。
 元教諭の小橋川共行さんは、2メートルを超える手作りのかかしを持って抗議行動に参加した。かかしの胸には「総理は人でなし」との言葉をしたためた。「こんな言葉は使いたくなかったが、人間でないかかしにまで『人でなし』と言われてるよと、アピールしたかった」と語る。
 「宮森小墜落の遺族や、読谷村の米軍トレーラー落下で亡くなった少女の無念さを、総理は少しでも考えたことがあるのか。オスプレイ配備を撤回し、人間の心を取り戻してほしい」と力を込めた。
友好ムード強調 首相・知事会談 
カメラ目線でのにこやかな握手、和やかな思い出話、那覇空港新滑走路への期待…。那覇市内のホテルで開かれた安倍首相と仲井真知事の会談は、友好ムードが濃厚に演出された。
 会談冒頭、本土メディアのカメラマンから「握手してもらえませんか」と要請された2人は快諾し、笑顔で両手を握り合った。知事が「沖縄で2月にこういう良い天気はめったにない」と切り出すと、首相は「私わりと晴れ男で、(隣席の)山本沖縄担当大臣も晴れ男です」と笑顔で応じた。
 首相が那覇空港第2滑走路の工期短縮をアピールすると、知事は佐藤栄作元首相が7年8カ月にわたり長期在任したことを引き合いに「完成時には総理として乗っていただいて」と持ち上げた。
 首相は席に浅く腰掛け、前傾姿勢で「傾聴」を演出。知事からオスプレイに対する県民の不安払拭(ふっしょく)や米軍基地の負担軽減を求められた際は、口を真一文字に結び、神妙に何度もうなずいた。一方、振興策に話題が移ると表情が緩んだ。国の来年度予算案の沖縄振興一括交付金額を「3001億円。昨年度より四十数億円増やした」と強調した際は、両腕を広げるなど盛んに身ぶりを交え、冗舌に語った。
  
  沖縄タイムス

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