普天間に行政集約 基地跡地提案コンペ
「トラム&グリーン・リンケージ沖縄21」提案資料から作成
米軍再編計画で返還が合意された嘉手納基地より南の6基地の跡地利用計画提案コンペが2日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターであり、最終審査に残った5者の中から、トラム&グリーン・リンケージ沖縄21(藤原敏雄代表)が賞金100万円の最優秀賞に選ばれた。
トラムはいずれも東京にある大成建設や交通コンサルタントのライトレール、都市計画コンサルのニライ・カナイ研究所の有志で構成。「万国津梁の島(くに)-新しい沖縄の実現」と題して発表した。
提案では6基地の跡地を那覇港湾、普天間、牧港、桑江南・瑞慶覧・第一桑江の4カ所の都市エリアに再編。
県庁など広域行政中枢機能を那覇から普天間に移転集約した上で、水と緑豊かなセントラルパークを整備し那覇中心部を再生するほか、環境に優しい路面電車LRTを軸にした街づくりを描いた。
藤原代表は「(神奈川県の)相模原や座間、横浜などにも基地が街の発展を阻害しているケースがあり、跡地の再編整備を考える手掛かりになった」と話した。
最終審査ではこのほか、緑創出のため県民が1人1本のオーナーとなる「フクギ銀行」や、那覇港湾と牧港に都市型リゾートや先端医療拠点を、普天間以北に農業や自然エネルギー生産拠点を置く案など多彩なアイデアが出された。
コンペは県の本土復帰40周年記念事業の一環で、県内外から79作品の応募があった。「中学生サミット」では、鏡原、普天間、山内、仲西、北谷、北中城の6中学校の生徒たちが、それぞれ練った地元の基地跡地利用計画を発表した。
その他の受賞者は次の通り。(敬称略)
【優秀賞】
“麗しの海の邦”と“まちづくりマネジメント”(日本設計+泉設計)▽アジアの成長を呼び込み、域内産業を形成する沖縄新社会資本戦略的整備(琉球大学都市計画研究室有志)
【佳作】沖縄が目指すべき『アジアにひらかれた成熟地域社会』を実現する10の提案!(鎌田誠史+山岸豊)
▽記憶が残る街・住み続けられる街・寄り道したくなる街
(金城正紀)
沖縄タイムス