被災地支援 結の心で バンクーバー友愛会が慈善公演
バンクーバー沖縄県友愛会主催の東日本大震災チャリティコンサート「ちむぐくる」=カナダ・バンクーバー
バンクーバー沖縄県友愛会主催の東日本大震災チャリティーコンサート「ちむぐくる」がこのほど、カナダ・バンクーバー市に隣接するバーナビー市のマイケル・ジュニア・フォックスシアターで開催された。
沖縄の太鼓グループ「鼓衆若太陽(ちぢんしゅうわかてぃーだ)」、歌手の日出克(ひでかつ)さん、美音(みおん)さん、友愛会琉球太鼓が加わるバンクーバー太鼓ソサエティーのうち7団体のメンバーが出演した。
「鼓衆若太陽」は、浦添市を拠点とし、国内では神宮球場でのヤクルトスワローズ応援のパフォーマンスや歌手のケツメイシライブなど各地でいろんなイベントに出演しており、昨年の世界エイサーコンテストではジュニア部門でグランプリを受賞している。
国外ではマカオや香港、また2007年からアメリカ・シアトルでも2年に1度コンサートを開催し、海外でも活躍しているグループ。
エイサーで始まったコンサート第1部は、あでやかな衣装とともに次々と雰囲気が変わり、美音さんの高く澄んだ唄声による「てぃんさぐぬ花」や日出克さんの三線の音に沖縄や日本を思い出して涙を流す人も見掛けられた。
第2部は日出克さんと友愛会琉球太鼓のコラボ・ミルクムナリから、バンクーバー太鼓ソサエティ、震災地出身の松本こずえさんの琴と共に「Taiko For Tohoku」のパフォーマンスで始まった。
日出克さんのソロ、美音さんとのデュエット、獅子舞など盛りだくさんの内容を経て、最後のカチャーシー「唐船ドーイ」では会場の観客全員が立ち上がり、老若男女、人種を超えて大盛況のうち、幕を閉じた。
主催者のバンクーバー沖縄県友愛会、花城正美会長は「鼓衆の子どもたちから『何かカナダでもチャリティー活動をしたい』という言葉をもらい、それでは東北地方の震災・津波で被災された方々のために、共に頑張りましょうと今回のコンサートが実現した。被災された人々の心に寄り添い、支援、応援したい気持ちと、また先祖供養、念仏踊りであるエイサーで亡くなった人々のご冥福をお祈りしたい」と述べた。
コンサートで集まった義援金、49万8686円は、災害遺児の教育・精神面を支援する、あしなが育英会「東北レインボーハウス」建設事業に寄付された。
一行はバンクーバー沖縄県友愛会会員宅で3日間ホームステイし、友愛会による歓迎会、小学校での太鼓指導、観光などを経験して帰国した。
(奥間ひとみ通信員)
琉球新報