琉球士族の「家譜」寄贈 5月公開
県立博物館・美術館へ寄贈された「新参蔡姓家譜」
琉球王国時代に士族が有した家系に関する記録「家譜」の一つ、「新参蔡姓家譜」がこのほど県立博物館・美術館(白保台一館長)に寄贈され、5日、マスコミ向けに公開された。南城市の渡具知清さん(61)から贈られた。
同館は「近世琉球期の那覇士族の出仕パターンや位階制度、家督の継ぎ方など政治・社会史な事柄を知ることができる貴重な資料」としている。5月開催予定の新収蔵品展で一般公開される。
近世琉球で王府から認められた家譜は、王朝末期には3千冊あったといわれているが、現在その原本は500冊ほどしか確認されていないという。
新参とは、王府が士族に家譜を提出させた1690年以降に勲功や分家などにより士族として認められたものを指し、93年生まれの3世から王朝末期の9世までが記録されている。
家譜作成により沖縄独特の門中意識が高揚したとされ、士農分離を完成させた。これまで同館が収蔵した家譜原本は9冊あり、順次修復が進んでいるという。
沖縄タイムス