読谷の怒り「ゼロ回答に等しい」
米兵による住居侵入事件に対する抗議決議文を
立ち上がって読み上げる読谷村の石嶺傳實村長
=5日、外務省(山内徳信事務所提供)
【東京】
読谷村の石嶺傳實村長ら20人は5日、外務省の河邉賢裕日米地位協定室長を訪れ、昨年11月に村内で発生した米兵による住居侵入と傷害事件に抗議、日米地位協定の抜本的改定などを求めた。
村民の怒りや不安を訴え、地位協定の改定に踏み込んだ回答を求めた村長や元村長の山内徳信参院議員。
だが河邉室長は「政治レベルの話で、私から明確な発言はできない」との説明に終始。
一行は「ゼロ回答に等しい」と失望した。
会談は非公開で開かれた。予定していた30分をオーバーし、1時間続いた。県関係国会議員らも同行した。
会談後、一行からは「私が申し上げられる範囲は限られている」「発言する立場にない」と繰り返した外務省の実務担当者の回答に落胆の声が上がった。
村観光協会会長の小平武さん(71)は「沖縄の心は聞きたくないという印象すら受けた」と怒り心頭。
村労働組合連絡協議会会長の山城明男さん(40)は「室長は個人的な気持ちすら聞かせてくれなかった。
道のりは長いが地位協定の改定まで、闘いを続けるしかない」
と話した。
村内5千人以上の児童・生徒を預かる村教育委員会の松田平次教育長は「人材をもって資源となす教育方針にはいい環境が必要。
よそから(環境を)崩されるのは最悪だ」と、米兵の事件や事故が安全な教育環境を脅かしていると批判。
国に交通マナーの順守を米側に働きかけるよう求めた。
石嶺村長は、日米地位協定は「米軍優位で特権的」として、見直しを求めた。
要請団は6日、防衛省や首相官邸、駐日米大使館にも
同様に抗議する。
沖縄タイムス