製糖操業1カ月、品質順調に上昇 収量も増産手応え
宮古島の2012/13年産サトウキビ製糖操業は8日で開始から1カ月を迎えた。
昨年9月末に接近した台風17号の影響で懸念されていた品質は、 沖縄製糖宮古工場が平均甘蔗糖度 (6日現在) 14・34度、 宮古製糖城辺工場が13・77度と操業開始当初に比べて約0・8度上昇しており、 8~9割が基準糖度帯 (13・2~14・4度) をクリア。
収量も当初予想を上回る増産が期待される。
また製糖期としては久々に天候に恵まれ、 ハーベスター収穫も順調に進んでいる。
今期は豊作が見込まれる一方、 新植夏植の発芽不良等から来期の不作が懸念されており、 春植・株出の面積拡大が必須となっている。
沖糖宮古工場の原料搬入量は5万2735㌧と当初計画に対して40・5%を達成。 このうちハーベスター収穫率は45%。 品質は基準糖度帯が42・26%、 基準帯以上が46・69%、 基準帯以下が11・05%。 1㌧当たりの農家平均手取り額は2万1351円。 商品歩留は1月末で11・99%と目標を0・63ポイント上回っている。
沖糖の砂川玄悠専務は 「台風の影響からサトウキビが回復している。 農家の肥培管理やハーベスター稼働率が向上し、 天候も味方している。
品質はもっと上がっていくと思う。 反収も予想より良い感じがする。 当初考えていたよりも良い操業になっている」 と手応えを話した。
宮糖城辺工場の原料搬入量は4万5541㌧。 ハーベスターの収穫率は38%。 平均甘蔗糖度は操業開始当初に比べて0・8度上がり、 2月に入ってからは日計で14・20度まで上昇している。 基準糖度帯は53・26%、 基準帯以上は22・74%、 基準帯以下は24%。 農家平均手取り額は2万1125円。
同工場は 「ほぼ14度手前と徐々に糖度は上がっている。 開始当初に比べればサトウキビの品質は悪くなく、 収量も予想より上回りそう。 11万㌧を超える感触」 と話した。 天候が良いためハーベスターから手刈りに変更する農家も目立つという。
宮糖伊良部工場は搬入量2万1783㌧、 平均甘蔗糖度は14・45度、 基準糖度帯34・87%、 基準帯以上50・8%、 基準帯以下14・33%、 農家平均手取り額2万1814円。 宮糖多良間工場は搬入量7201㌧、 平均甘蔗糖度は14・11度、 基準糖度帯43・28%、 基準帯以上38・7%、 基準帯以下18・02%、 農家平均手取り額2万1449円。
台風17号の大雨で新植夏植では大量に土砂が流入したほ場が多く、 発芽不良や分けつ阻害により来期の減産が危惧されており、 その対策として春植・株出でのカバーが求められている。 沖糖の砂川専務は 「来期の生産量を確保するには春植・株出の面積拡大が必要。 宮古全体の大きな課題であり、 農家の積極的な取り組みを促している」 と話した。
宮古新報