本部町、民泊受け入れ1万人 修学旅行、右肩上がり
受け入れ民家にお土産を渡す生徒たち
=1月31日、本部町の旧本部小学校健堅分校
【本部】
本部町で民泊する修学旅行生が増えている。
生徒を各民家に仲介する「民泊受入本部町推進協力会」によると、民泊を始めた2010年度に受け入れた生徒数は1校202人だったが、11年度は17校2300人に増加。
12年度は35校9108人を見込んでいる。
13年度は50校1万2570人の予約が入っており、
4年目にして1万人を超える勢いだ。
本部町の民泊は36軒の民家が、伊江村などで民泊事業をしているTAMAレンタ企画(同村、玉城堅徳代表)と共に始めた。協力会の島袋吉徳会長は「多くの観光客が海洋博公園を訪れるが、町の中心地は素通りして恩納村などに宿泊する。
それを本部町にとどめたかった」と話す。
12年4月には協力会が正式に発足。受け入れ民家は1月末現在で117軒に増加した。
最初は島袋会長らが1軒1軒回り協力を求めていたが、次第に「生徒との交流が楽しい」と評判になり、増えていったという。
受け入れ民家に入る料金や町内での消費といった経済効果だけではなく、交流事業としての効果も大きい。
島袋会長は「生徒の表情が来た時よりも明るくなる。
地域の生活や人の絆を知ってほしい」と強調する。
1月31日には、岐阜県から訪れた県立坂下高校の2年生84人の受け入れ式が、旧本部小学校健堅分校で催された。
同高校は10年度に伊江島で民泊したところ、生徒の反応が良く、再び沖縄での民泊を決めたという。
西尾学教頭は「地元の人と直接触れ合う機会はなかなかないので、沖縄の『イチャリバチョーデー』の心を知ってほしい。
本部町はフェリー欠航の不安がないのもいい」と話した。
(伊佐尚記)
琉球新報