「模合するお年寄りほど健康」琉大白井氏調査

地域組織の参加数と健康リスクの関連・模合参加
の頻度と健康リスクの関連
「模合に参加するお年寄りほど健康」-。琉球大学人間科学科の白井こころ准教授(公衆衛生学)が今帰仁村の高齢者を対象に実施した調査で、模合など人とのつながりが多い人ほど健康状態が良い傾向にあることが分かった。白井准教授は「多くの人と交流することで健康情報が集まり、人とつながることで精神的にも良い影響を与えている可能性がある」と指摘している。
(新崎哲史)
同調査は、高齢者の健康づくりや介護予防に役立てようと2010年に全国の研究機関が分担して、北海道から沖縄まで31自治体で実施。白井准教授は沖縄独自のアンケート項目も盛り込み、病気の有無や飲酒などの生活習慣、地域との関わり具合を聞いた。今帰仁村で得られた1183人の回答を分析した。
模合や老人クラブ、趣味の集まりなど地域組織の参加具合を「少ない」「中程度」「多い」の3グループに分け、病歴や自身の主観的な健康度を基準にした健康リスクを比較。「少ない」の健康リスクを1としたところ、「多い」は0・56でリスクが半減し、「中程度」も0・61と減少していた。
模合に絞った分析では、「参加していない」に比べ「月2、3回以上」のグループのリスクが半減。「年に1~2回程度」は微減だった。
また、模合タイプを「境遇が似た者同士」と「さまざまな人が参加」の二つに分けた比較では、「参加していない」に対し、「似た者同士」が0・7と3割減。「さまざまな人」は、0・38で6割も減少した。
白井准教授は「地域活動以外にも『地域を信頼している』『助け合いたい』と思うグループの健康度が高く、健康情報の共有や頼れる仲間がいる安心感、生活の充実などが健康状態に作用しているのでは」と推察している。一方、「もちろん飲みすぎ食べ過ぎは逆効果。適度な飲食と付き合いで、健康を維持してほしい」とくぎをさした。
沖縄タイムス






