嘉手納基地に無人偵察機 海域の監視強化
嘉手納基地に2016年頃に配備予定の海軍の最新鋭無人偵察機「MQー4Cトライトン」(ノースロップ・グラマン社提供)
【平安名純代・米国特約記者】
米海軍の広域海上監視(BAMS)最新鋭無人偵察機「MQ-4Cトライトン」が2016年にも在日米軍基地では初めて、嘉手納空軍基地に配備されることが20日までに分かった。
北朝鮮の核の脅威と中国の軍事拡大を受け、アジア太平洋地域の監視体制を強化するのが狙い。同機の製造元のノースロップ・グラマン社(本社カリフォルニア州)幹部が本紙の取材に対して明らかにした。
トライトンは、空軍の大型無人偵察機「グローバルホーク」をベースに開発した小型版で、全長15メートル、幅40メートル。特殊センサーや高性能カメラを搭載しており、有人の航空機の高度を大幅に上回る1万8千メートル上空から、海上のゴルフボールほどの大きさの物体の識別が可能。
米海軍当局者によると、同機の配備拠点は米本土2カ所、米本土以外3カ所の計5カ所で合計40機。
15年に初期運用を開始し、16年秋にグアムのアンダーセン空軍基地から順次配備する。グアムでは、すでに配備されている空軍の無人偵察機3機に海軍の偵察機を加えることで、アジア太平洋地域における監視体制をより強化する。
嘉手納で収集した情報は海上自衛隊との相互共有も視野に入れているという。
ノースロップ・グラマン社で同機の開発に関わる幹部は、「国防費の大幅削減で米国の市場が縮小していくのに対し、無人機の需要は中東やアジアで拡大傾向にある」と指摘。「今後10年で約820億ドル(7兆6660億円)規模の市場へ成長する予想もある」と述べ、日本への売り込みにも期待を示した。
沖縄タイムス