後生の正月「十六日祭」県内各地で
遠く離れた墓に向かって手を合わせ、祖先の供養と親族の健康を願って手を合わせる離島出身者ら
=25日正午前、那覇市西の三重城
25日は旧暦1月16日に当たる「ジュウルクニチー(十六日祭)」で、後生(グソー)の正月といわれる。宮古、八重山地域を中心に県内各地で祖先を供養する家族の姿が見られた。
那覇市西の三重城では、離島出身らがごちそうや線香を供えてウチカビ(紙銭)を焼き、故郷の方角に向けて手を合わせていた。
宮古島市城辺出身の勝連光良(63)さんは「宮古に帰れないときは、必ず訪れて祖先に感謝の気持ちを込めてお祈りしています」。
【宮古・八重山】後生(グソー)の正月といわれる十六日祭(ジュウルクニチー)が25日、県内各地であり、墓前にごちそうを供え先祖の霊に手を合わせた。旧暦1月16日の行事で宮古、八重山では毎年盛大に実施、公立小中学校は午前中のみの授業となった。
宮古島市平良の袖山墓地公園には昼すぎから料理を手にした親族が続々と到着。ぽかぽか陽気の中、周辺を清掃、供え物を並べたて墓前に向かった。
毎年十六日祭で墓前に出向く市平良の松原昌吉さん(64)は「今年も家族一同健康で過ごせるようにお願いした。1年に1度。しっかりカリーを付けたい」と祈った。
石垣市白保の墓地では正午前から墓前に菓子などを供え、祖先に家族の近況を報告。
石垣宗憲さん(73)、道子さん(71)一家は子や孫ら約15人が集まり、にぎやかに午後のひとときを過ごした。
宗憲さんは「みんなが末永く健康で商売がうまくいくようにお願いした」。前日から野菜の煮しめやいなりずしなどを手作りした道子さんは「こういう機会に子や孫に食べてもらうのが楽しみ」とほほ笑んだ。
沖縄タイムス