休耕地を修旅生徒の体験農場に、
いけま福祉支援セ ンター
池間島で高校生修学旅行民泊の受入窓口を行っているNPO法人いけま福祉支援センター (前泊博美代表) が、 原野化した休耕地を復元して滞在する生徒の農業体験に活用している。
以前は自給自足だった島の生活や食料生産について知ってもらうことが目的。
島内には高齢化で耕作されなくなった農地が多く、 同センターでは今後も復元を進めて体験農場を広げたいと考えている。
同センターでは地主の高齢化のため長年放棄されて原野と化していた池間灯台近くの農地5・6反を借り、 昨年5月から国などの休耕地の再利用を支援する事業を活用して雑木除去や整地等を行い、 9月からは修学旅行で訪れた高校生や地域の高齢者たちとともに開墾と農地への復元に取り組んできた。
代表の前泊さんは 「島内全体に増えている休耕地の有効活用や畑として使っていた原風景を残し、 自給自足していた池間の食生活、 安心安全な食べ物を作ることを知ってほしい」 と体験農場の目的を説明する。
今は島ラッキョウやジャガイモ、 紫イモ、 パイン、 バナナなどを植えており、 高校生はお年寄りから教わりながら農作業に取り組んでいる。 大豆や麦を栽培し、 高校生に池間島味噌を仕込んでもらおうと計画。 また農場内に池をつくり、 池間湿原など周囲の自然から生き物を呼び込むビオトープ (生物生息空間) も造成し、 地元の子供たちの学習の場にもしようと考えている。
前泊さんは 「高齢者はすごい知恵を持っているので次世代に伝えたい。
島には色々な宝物が残っていることを知ってほしい」 と話し、 「昔の島にあった当たり前の暮らしを取り戻し、 それを観光資源にして若者を呼び戻す雇用につながれば」 と期待している。
体験農場の復元には国の広域探査発掘加速化事業も利用。 従来は土地改良のような大規模工事が対象だったが、 同事業により規模の小さな農地でも100%補助が適用されることになった。 まだ利用が少なく市農業委員会では積極的な活用を呼びかけている。
宮古新報