農産物直売所 最多売り上げ
県農林水産部がまとめた県内農産物直売所の実態調査によると、2011年の客単価は1454円、1直売所当たりの年間平均売上高は2億3160万円で、過去5年間でいずれも最高だった。
消費者が農産物を選ぶ際、価格より「安心・安全」を重視しており、食材の調理法などの情報提供を求めている。一方で、各直売所とも学校給食などの業務用食材で販路拡大を目指しているが、実際に対応できる直売所は約3割にとどまっており、供給体制の整備が課題となっていることが浮き彫りになった。
直売所の実態や課題を把握し、その活性化や県産食材の消費拡大につなげるため、県農林水産部流通政策課が初めて調査した。
昨年9~11月にかけ、県が把握した88カ所(回答率64・7%)の直売所、5市町村の消費者1023人からの聞き取りやアンケートを行った。
直売所の11年の年間利用者数は15万9242人で07年比7・6%増、客単価は38%増の1454円。1直売所当たりの年間平均売上高も49%増の2億3160万円となった。
課題として多く挙げられたのは「販売先の開拓」(37・5%)。学校給食など業務用の出荷を拡大させたいとの考えが表れる一方、業務用に対応している直売所は少なく供給量不足を背景に伸び悩んでいる。
消費者が食材購入の際、最も重視するのは、「安全・安心」が58・4%が最も高く、「価格の安さ」(10・8%)を大きく上回った。直売所に対しては「旬の時期、保存方法等を教えてほしい」(26・7%)、「おいしい食べ方やレシピを教えてほしい」(22・7%)などの要望が多かった。
同部流通政策課は「直売所の経営状況や課題、消費者ニーズが把握できたことで、今後の取り組みに生かせると思う。行政としても、具体的な支援策について検討していきたい」としている。
沖縄タイムス