闘牛:力丸、一気の押し 伊波大会
怒とうの勢いで古堅モータース闘鬼(奧)を柵際へ押し込み、
豪快な腹取りを決める常勝会力丸
=うるま市石川多目的ドーム
伊波闘牛大会 対戦結果(左側が勝牛)
伊波闘牛大会(主催・伊波闘牛組合、後援・沖縄タイムス社)が17日午後1時から、うるま市石川多目的ドームで行われた。ことし7回目の闘牛で、ローカル大会としては今年初。貸し切りバスで招待された地元(伊波、山城、東恩納地区)のお年寄り50人余を含む県内各地からの闘牛ファンや観光客ら約600人が詰め掛け、次々に繰り広げられた9組(1組は不戦勝)の対戦に見入った。期待通りの激戦連発となり、観客は延々3時間にわたって闘牛の醍醐味(だいごみ)を堪能した。
ベテラン実力牛・暖流号と大物デビュー牛・石山玄皇の対戦で注目を集めた結びの一番は、わずか3秒で石山玄皇が勝利した。足元を気にする暖流号の状態が万全ではなかったための結果と見えたが、予想外の結末に場内から思わずため息が。
この穴を埋めたのが、2番戦。鋭い押し込みを持つ古堅モータース闘鬼と常勝会力丸が、攻守所を変える激しい押し合いを演じ、場内をわかせた。開始30秒、力丸が大きく体を弾ませ、一気の押し込みをさく裂させた。まさに怒とうの勢い、砂煙が舞い上がり、闘鬼はあっという間に柵際へ。間髪を入れず力丸の腹取りが決まったが、とどめを免れた闘鬼がすぐに応戦し、再び両牛は組み合った。
しかし、ここを境に両牛の勢いの差は歴然となり、戦いの主導権は完全に力丸へ。開始3分30秒すぎ、闘鬼の疲れを確信したのか、力丸がこん身の力で押し込むと闘鬼はたまらず敗走した。4分足らずの攻防だったが、見応え十分の戦いだった。
もうひとつの目玉だった3番戦(指名特番)もどよめきの中で突然の幕。こちらも序盤から乱戦となり、開始1分、伊良皆圧送頑銃桜の割技がスマイル白隆の額にクリーンヒット。たじたじとなり、腰が引けてきた白隆に場内はどよめきの連続。ここを勝機とばかり頑銃桜が飛び込むような腹取りをみせると、白隆は脱兎(だっと)のごとく敗走した。次回は24日午後1時から、本部多目的広場闘牛場で本部闘牛大会。
(又吉利一通信員)
沖縄タイムス