一心力、逆転の一撃 本部闘牛大会
熱戦となった結びの一番。13分すぎ、一心力(左)の逆転の腹取りが決まり、敗走する富士大力号
=24日、本部多目的広場闘牛場
本部闘牛大会
本部闘牛大会(主催・本部闘牛組合、後援・沖縄タイムス社)が24日午後1時から本部多目的広場闘牛場で行われた。今年2回目の野外闘牛となり、地元や県内各地からの闘牛ファンや観光客など約500人が詰め掛けた。
昼前から降り出した雨の中での開催となったが、予報が出ていたため観客はかっぱや雨傘などを使用しての観戦となった。
5分ほどの間隔を置きながら10組(2組は不戦勝)の対戦が次々に繰り広げられた。
対戦場がぬかるんでいたため、勝負がつく場面では観客席に泥水が跳ね返ることも再三。その都度、前列の観客がのけぞるなど野外闘牛ならではのシーン続出となった。
雨の影響もあったのか、短期決戦のオンパレードとなったが、今大会の目玉だった結びの一番戦は期待どおりの熱戦となり、場内を沸かせた。
中量級の強豪同士、富士大力号と一心力が熱の入った押し合いを展開し、今大会最長の10分超の戦いに。両牛互いに一度は柵を背にする場面となり、まさに一進一退の攻防となった。
勝負の行方が混沌(こんとん)とし、場内が静まり返った13分すぎに勝負は急展開した。
大力が最後の力を振り絞るようにぐいぐいと押して出ると、一心力の足元が乱れた。なおも大力が出たが、一心力は必死の防戦でこれを食い止めた。
激しい押しの中で、呼吸を乱したのは大力。
大力は押し込みながら有利な体勢だったが、タイミングよく一心力のカウンター気味の腹取りが大力に決まった。
大力、これをはね返す余力がなく、たまらず敗走。
勝負は一瞬にして幕となったが、力戦の結末に観客も納得の感。
どよめきもそこそこに、小ぶりとなった雨の中を急ぎ帰路についていた。
次回は31日午後1時から、うるま市石川多目的ドームで新屋慶名大闘牛大会。
(又吉利一通信員)
沖縄タイムス