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高2教科書に美ら海、いっこく堂も

2013年3月27日 - スタッフ公式
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高2教科書に美ら海、いっこく堂も
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「いっこく堂」が取り上げられた東京書籍
「英語コミュニケーションⅡ」の教科書
 来春から高校2年生が使う教科書には、英語で「いっこく堂」や「美ら海水族館」、音楽で「涙そうそう」や「島唄」「組踊」など沖縄関連の話題が多く取り上げられている。
修学旅行で沖縄を訪れる高校生が増えたことなどもあり、教科書各社も沖縄の特色を幅広く紹介している。そのほか「NIE(教育に新聞を)」活用や「なでしこジャパン」などの話題を題材にする教科書もあった。
 いっこく堂、美ら海水族館、谷茶前…。2014年度から高校で使われる教科書には、沖縄に関する題材も複数取り上げられた。修学旅行で沖縄を訪れる学校が増え、沖縄の文化を生徒に学んでほしい高校側のニーズに、出版社が応えた形だ。
 数研出版の「コミュニケーション英語2」では、サンゴの養殖を手掛ける金城浩二さんが紹介された。白化したサンゴ礁を目の当たりにし、美しいサンゴ礁を取り戻そうと、サンゴの養殖に奔走、放卵に成功したことなどが英文で記載されている。
 編集を手掛けた同社編集部の矢木壮次長は「サンゴの専門家ではない金城さんが、移植に成功するというストーリーは、高校生が関心を持てるいい題材。映画や本などもあり、理解を深める教材もそろっていた」と起用の理由を説明。「教科書に求められている環境の話を深く書ける上、修学旅行で沖縄に行く高校生も多く、喜ばれると思った」と語った。
 東京書籍の「コミュニケーション英語2」では、県出身の腹話術師いっこく堂さんが登場。英語で公演する時に大切だと考えていることをはじめ、公演する土地の言葉で話す重要性などが書き込まれている。同社の笠原数正編集長は「英語を使って、日本人が腹話術をやっていること自体が珍しい。活躍も目立ち、高校生もよく知っている人を取り上げたかった」と語った。
 英語では他にも、美ら海水族館が会話文などに盛り込まれていたり、世界遺産の一つとして「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」が紹介されている。
 音楽でも、沖縄に関連する5曲が取り上げられた。
 音楽之友社は「音楽2」で「島人ぬ宝」と「涙そうそう」を採用。教員らの支持が高かったことが主な理由。同社出版部の川本軒司課長は「現場から、高校生が楽しめる曲という声が上がり、音楽の公開授業でも使われている。修学旅行先で行く沖縄にも一番親しめる教材だ」と話した。
 教育出版の「音楽2」では、沖縄を代表する曲として「谷茶前」が登場。三板(さんば)と太鼓のリズムや使い方を描いたイラストや楽譜も盛り込んだ。担当者は「沖縄らしいリズムで、律動感を楽しめる」。さらに、プロが演奏した谷茶前を録音し、楽譜に起こした。
 担当者は「1998年ごろから、各社とも国内の曲は全曲聴いて、掲載する動きになっている。教科書の楽譜と今生きている音楽が違うという声をできるだけ少なくしたい」との傾向を語った。
 また、発表から今年で20年を迎える「島唄」も再び採用。「音域がそこまで広くなく、男女一緒でも大人数でも歌える曲。今でもよく知られた曲」と説明。他にも、初めて、組踊の「銘苅子」を紹介した。
 国語では、ピアソン桐原の「現代文B」は、県出身の詩人、山之口貘さんの詩「鮪に鰯」を取り上げている。
  沖縄タイムス

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