竹教委、文科省指導に結論出ず 東京書籍版は準備
八重山地区中学校公民教科書問題をめぐり、八重山採択地区協議会の答申に基づく育鵬社版を使うよう文科省から指導を受けている竹富町教育委員会(竹盛洋一委員長、委員5人)は27日、3月定例会で対応を協議したが、結論を出せなかった。
定例会終了後、竹盛委員長は「まだ協議中だが、現段階では新学期に間に合うよう東京書籍版を準備している」と述べた。
義家弘介大臣政務官は1日、指導に訪れた際、今月末までに対応するよう求めたが、竹盛委員長は「早めに結論を出したい」と述べるにとどめた。
竹盛委員長によると、義家政務官の指導を受けて以降、教育委員で協議を重ねてきたが、この日の定例会でもまとまらなかったという。
竹教委の対応は、文科省の指導を受け入れて育鵬社版を使用するか、しないかの二者択一しかないが、竹盛委員長は「義家政務官の指導もあるが、私たちの信念も曲げたくない。この両方をどうクリアするかという難問を投げかけられている」と対応に苦慮していることを明らかにした。
4月以降の公民教科書として準備している東京書籍版については前年度同様、町民から寄贈を受ける形で準備を進めている。
一方、指導に従わなかった場合の対応について義家政務官は、地方教育行政法や地方自治法に基づく是正や訴訟を検討するとしている。
八重山毎日新聞