[めんそ~れアメリカ・世界若者ウチナーンチュ大会](中)山内浩さん 将来変える人材に期待

「将来は沖縄で生活することも検討中」と語る山内浩さん
=ロサンゼルス郊外ガーデナ市の北米沖縄県人会事務局
世界若者ウチナーンチュ連合会アメリカのキーマンの一人、
山内浩さんはロサンゼルス市生まれの2世。
公認会計士として多忙な生活を送りながらも、北米沖縄県人会に頻繁に足を運び、さまざまな活動に関与している。
「子供のころから県人会のピクニックや運動会には沖縄出身の親が連れてきてくれた。また、妹の琉球舞踊の練習が終わるのを僕は県人会館でいつも待っていたものだ。その時は、自分自身が今のように積極的に携わるとは思っていなかった」
転機は高校生の時に訪れた。「自分はずっとアメリカ人だと思って育った。しかし、鏡に映る自分は日本人。そしてルーツは沖縄にある。そのルーツを大切に生きていかなければ、と思った」
ブラジルの沖縄県人会を訪れたことも山内さんにとっての大きな転機になった。「県人会館の庭の池に浮かぶ葉は、何と沖縄の地図を形作っていた」と振り返る。また、ブラジルの県系人がポルトガル語同様に日本語も流ちょうに話していたことにも感銘を受けた。「僕が英語しか話せなかったら、彼らとは意思疎通できなかった。でも日本語がつないでくれた」
県人会に関わり始めてからは、若者のネットワークづくりに努めてきた。「過去15年間は、ずっと若い人をいかに県人会に巻き込むかを考えて活動した。こちら生まれの日系人や、日本から来たばかりの留学生、いろいろな人に会った。まさにチャンプルー。留学生にはアメリカの生活に慣れてもらうため、情報を提供したりアドバイスしたりした」
そうやって沖縄の若者と触れ合っていく中で山内さんの胸中に、ある懸念が生まれた。
「彼らにはもっと自信をもってほしいと思う。どこか自信が感じられず、挑戦を恐れているようにも見える。若者に限らず、沖縄にはいい商品があるのにそれを海外に対して売り込む際も消極的。また沖縄は日本本土よりも恵まれた地の利を生かすべきだ。韓国や中国、台湾、フィリピンにも近く、ロケーションとしても大きなチャンスがある。沖縄の若者たちの自覚を促し、沖縄の将来を彼らに変えてほしいと願っている」
世界若者ウチナーンチュ大会アメリカ大会には、「若者同士のネットワークを構築し、リーダーシップを育成するための基盤をつくりたい」という目標を持って臨んでいる。
「アメリカにはビジネスで大成功した沖縄出身者が大勢いる。たとえば、豆腐をアメリカに広めた『日の一豆腐』の山内(昌安)さんや、『カツヤレストラングループ』の上地(勝也)さん。アメリカで活躍したウチナーンチュのスピリットを若者たちにも伝えたい。そしてぜひ、視野を広げてほしい。それを手伝うことが僕の仕事だと思っている」
(福田恵子・ロサンゼルス通信員)
沖縄タイムス





