ヤマネコを保護、10年間で2例のみ 野生復帰に期待
環境省西表自然保護官事務所(福田真自然保護官)は25日、今月11日に西表島船浮集落で衰弱したイリオモテヤマネコ1頭を保護したと発表した。同事務所によると、ヤマネコの保護は過去10年間で5件あったが、野生復帰できたのは2例のみ。今回保護したヤマネコは順調に回復しており、野生復帰が期待されている。
このヤマネコは11日午後1時ごろ、船浮の住民が集落内の公園の植え込みで動けなくなっているのを発見。通報を受けた西表野生生物保護センターの職員が同日午後4時ごろに保護した。
成獣の若い雄で、外傷は見られないもののやせて衰弱し、感染症による重度の皮膚疾患にかかっている。栄養補給と皮膚疾患の治療を続けており、約1カ月で回復する見込み。
同事務所では獣医師と専門家に確認し、十分に回復したと判断できれば野生に戻す予定。
ヤマネコの保護は近年では2010年に衰弱や交通事故で3例の保護個体があったが、いずれも死亡している。
ヤマネコは2~4月に繁殖期、4~6月は子育て時期に当たり、交通事故が多くなるため、同センターでは運転者に注意を呼びかけるとともに、交通事故情報の提供を呼びかけている。
連絡は同センター(85-5581)。
八重山毎日新聞