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冒険劇 テンポよく Be―STUDiO(沖縄)

2013年5月8日 - スタッフ公式
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冒険劇 テンポよく Be―STUDiO
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ハート(右から3人目、加藤明佳)たちが見守る中、
兵士(右端、山内千草)に銃と絵の交換を呼び掛ける
マッド(同2人目、岸本尚泰)
=4月20日、那覇市のリウボウホール
 演劇の「Be―STUDiO」による舞台「ハートと3人の芸術家」(原作・ガンジー石原、脚本・山田享楽)が4月20、21の両日、那覇市のリウボウホールで行われた。笑いを織り交ぜながらも、世間に認められない画家や反戦活動に取り組む画家の姿を通して“芸術の力”を問い掛けた。
 物語は、人間か動物か分からない「アレ」のハート(加藤明佳)が、画家のガンジー石原(神里誠)に拾われて始まる。ハートはガンジーを尊敬しながらも、自分がいると仕事に集中できないと考え旅へ出る。イラクでは、兵士に銃と自分の絵を交換させる活動に取り組む画家のマッド(岸本尚泰)と出会う。
 登場人物の設定は、漫画家・イラストレーターのガンジー石原による原作の通りだが、物語は「Be―」のオリジナル。ガンジーのシュールでゆるい絵の世界とは異なり、エンターテインメント性の高い冒険劇がテンポよく展開した。神里は、「彫刻」など複数の役で神出鬼没に登場。突拍子もないギャグを織り交ぜることで真剣になりすぎず、世代や客層を超えて楽しめた。
 クライマックスは、ハートたちが芸術で戦争は止められないのかと思い悩む場面。
 ガンジーの幻が現れ「芸術は飛んでくる弾は止められないが、引き金を引く指は止められる。心ある者には芸術が届く」と訴える。芸術の力を信じて前に進もうともがくハートたちの姿は、演劇という表現に挑み続ける出演者たち自身に重なって見えた。
  琉球新報

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