中1本島縦断 自転車で1人旅
自転車で沖縄本島を縦断した泉水龍人君
=国頭村・辺戸岬(父親の龍哉さん提供)
【那覇】市内の中学1年生、泉水龍人(いずみりゅうと)君(12)=市国場=が4月27~29日に3日間かけ、自転車で沖縄本島を縦断した。伴走も無く、たった1人で新調した自転車で、糸満市の平和祈念公園から国頭村辺戸岬までの約127キロを走破した。
父親の龍哉さん(39)が「成功体験を身に付けさせたい」と提案し、龍人君も挑戦を決意した。27日午前10時、水筒と地図、1日分の着替えなど最小限の装備で出発。初日は読谷村で一泊、2日目で名護に到達し、29日午後1時に辺戸岬にゴールした。
恩納村では、2~3キロ続く上り坂に苦戦したが、自転車を押しながら何とか上りきった。道に迷いそうな時は地図を広げ、人に尋ねながら、バス停や道路標識を目印に自分の居場所を確認して前に進んだ。龍人君は「西海岸沿いは横からの海風がつらかったが、きれいな景色に癒やされた」と振り返った。
自転車に装着した「沖縄縦断中」のラミネート板を見た市民や観光客から「頑張って」と声を掛けられたり、お菓子をもらうこともあった。自転車で日本や沖縄を一周する旅人との交流もあった。「一番の思い出は人との出会い。声援やアドバイスもたくさんもらった。その度に頑張ろうって力が入った」と笑顔で話した。
ゴール目前で雨が降り始め、3日間ペダルをこぎ続けた足もぱんぱんになったが「もう少し」と踏ん張り、見事縦断を達成。龍人君は、「ゴールしたときは達成感と応援してくれた人たちに、ありがとうという気持ち。いつかは本島一周に挑戦したい」と次の目標を語った。
沖縄タイムス