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下地島海底洞窟から希少種続々(宮古島・沖縄)

2013年5月24日 - スタッフ公式
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下地島海底洞窟から希少種続々
─海の自然史研究所

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モモイロドウクツガザミ=写真提供・藤田喜久さん
 NPO海の自然史研究所 (藤田喜久研究代表) がことし3月に下地島の海底洞窟で実施した調査でカイメン類や貝類、 甲殻類 (エビ・カニ) などの未記載種 (新種) をはじめ日本初記録種、 珍種が続々と発見された。 今回の調査の詳細は25日に琉球大学で開催される沖縄生物学会第50回記念大会で発表する。
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クラヤミオウギガニ
 カイメン類は25種が採集され、 そのほとんどが日本初記録種か未記載種だった。 海底洞窟でのカイメン類調査はこれまで国内でも行われてなく、 今回もごく一部を採集しただけだという。 中には主に深海に生息する種類のグループで大西洋のフロリダ半島のみで知られるめずらしいものもあり、 日本初記録で未記載種の可能性が高い。
 貝類 (二枚貝) ではハチノスキクザルガイを発見。 インド─太平洋域の島しょに生息し、 国内では沖永良部島から記録されたが、 現在までに得られた標本はほとんど死殻であり、 生きた個体の報告例は海外で2例のみで極めて重要な発見としている。
 十脚甲殻類は25種が記録された。 モエビ科の一種はハワイ諸島やツバル諸島など9カ所のみで記録されている稀種で日本からは初めての発見。 海底洞窟最奥部の淡水の影響を受けていると考えられる場所でのみ見つかった。
モモイロドウクツガザミは2003年に与那国島などで採集・新種登録されて以来、 まったく記録の無かった稀種。 今回の調査では2個体が採集された。 クラヤミヒラオウギガニはオーストラリア領クリスマス島と久米島の海底洞窟から3個体が正式記録されているだけの稀種となっている。
 同調査はかいぎん環境貢献基金の援助を受けて伊良部・下地島の生物相調査プロジェクトの一環として実施された。 国内外をはじめ宮古在住の研究者らによって両島の陸域から海域までの生物相の現状把握を目的に行われた。 地域での調査報告会や調査体験会も予定している。
 宮古新報

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