瀬底の組踊、26日浦添で披露
伝統を受け継ぎ、大舞台で演技を披露する瀬底の青年ら
=本部町瀬底島の集落センター
【本部】町瀬底島の豊年祭で奉納されてきた組踊が、浦添市の国立劇場おきなわで26日に開かれる第10回研究公演で披露されることになり、島の若者らが稽古に汗を流している。19日には島の集落センターで出演者ら約30人による合同練習が開かれ、獅子舞や女踊のほか、組踊「伏山敵討」の通し稽古が行われた。出演者らは「大舞台で緊張するけれど、百パーセントの演技を出し切りたい」と意気込んでいる。
(儀間多美子)
公演テーマは「村々に伝わる組踊」。識者によるシンポジウム「村々に伝播(でんぱ)した組踊」で地域に残る伝統芸能について考えた後、瀬底の青年による踊りが披露される。
瀬底島では6年ごとに、豊年祭で組踊「伏山敵討」「大川敵討」が交互に演じられてきた。島の先輩が後輩を指導しながら、伝統文化を継承してきたという。今回は立役17人、地謡11人の28人が、島で歌い踊り継いできた成果を発表する。
合同練習には島のお年寄りらも見学に訪れ、熱の入った演技に見入り、拍手を送った。組踊「伏山敵討」で、敵を討ち取る富盛大主を演じる大城拓也さん(31)、若按司を演じる知念辰也さん(36)は、どちらも10年前の島の豊年祭で同じ役を演じた経験者。
大城さんは「セリフ、演技も含めまだまだ練習が必要。いずれは自分が教える立場になる。後輩たちにつなげていきたい」と気を引き締める。現在、名護市に住む知念さんは「島の踊りが選ばれたことに誇りと責任を感じる。もっと練習して本番は百パーセントの力を出し切りたい」と話す。
若按司の弟・亀千代を演じるのは瀬底小6年の仲宗根瑛二君(11)。「気をつけているのは、セリフの最後をきちんと伸ばすこと。でも長くて息継ぎが難しい」と苦笑いし「緊張するけど頑張ります」と張り切っている。
大城昇源区長は「地域の踊りには地域の味がある。多くの方々に見てもらい、ヤンバルにも伝統芸能がしっかり根付いていることを知ってもらえれば」と楽しみにした。
沖縄タイムス