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ヤッカヤッカ 伝統のスプウツナカ (宮古 多良間村・沖縄)

2013年5月28日 - スタッフ公式
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豊年願いヤッカヤッカ 多良間村で伝統のスプウツナカ null
【多良間】豊年を祈願する多良間村の伝統祭祀 「スツウプナカ」 が27日、 村内4カ所の祭場で行われた。
招待した司女や村関係者など来賓とともに、 ことしの豊かな実りに感謝し来年の豊作への願いを込め、 角盃に満たした神酒を 「ヒーヤヤッカ、 ヤッカ」 のハヤシ歌に合わせて何度も回し飲んだ。 スツウプナカは旧暦4~5月 「みずのとみ」 の前後3日間行われ、 男性を中心に魚を獲るイム座、 神酒などを作るブシ座、
料理担当のクバン座、 運営役の中老座と役割分担し、 村民が一致団結して行われる。
 祭りは村内をナガシガー、 フダヤー、 パイジュニ、 アレーキ4つの祭場に分けて行われる。 準備はイム座が追い込み漁などで獲った海の幸をクバン座が調理し、 刺身やカマボコ、 唐揚げ、 天ぷらなど神事の供え物から招待客のご馳走を作った。
合計100㌔以上水揚げされた魚を大勢で手分けして次々と捌き、 イラブチャはすり身にしてカマボコの材料にした。
 26日午前、 クバン座の料理づくりを開始する御願を行ったアレーキ老人座の照屋清仁さん (85) は 「何の災害もなく立派な島づくりができるよう願っている。 昔から畑で粟や麦、 豆をみんなで持ち寄って料理を作ってきた島ぐるみの祭り。
やり方が本に書いてあるわけではない。 後輩は先輩から島のあり方を見て覚え、 島の文化として残っていく」 と語った。
 この日深夜、 祭りの開始を告げる 「暁の願い」 が行われた。 このうち字塩川のパイジュニでは中老座のある大木公民館に午後10時頃、 ブシャ座から神酒が運ばれて御願が始まった。
中老たちは近隣にある井戸へ赴き拝所で豊年を祈願。
老人座は保育所近くの祭場へ行き、 月明かりの下で神歌 「ニィリ」 を唱和。 角盃に注がれた神酒が座に回され 「ユナオーレガ、 ヒーヤヤッカ、 ヤッカ」 のハヤシ歌とともに飲み干した。
 27日は正午頃、 字仲筋のナガシガー祭場に司女や各御嶽の二才頭、 公的機関や企業などの来賓が招かれ祝宴が行われた。 クバン座からカマボコや厚揚げ、 天ぷらなどの料理が振る舞われ、 多良間島の豊年を願い 「ヤッカ、 ヤッカ」 のハヤシ歌を何度も唄い神酒を回し飲んでいた。
 来賓の下地昌明村長は 「スツウプナカは一年間の豊作と村民の無病息災を願って行われている。 去った製糖期はサトウキビが素晴らしい成績となり、 いま収穫中の葉たばこも良い成績だという。 ことしの豊作を高らかに願いたい」 とあいさつ。 また福嶺常夫村教育委員長も 「スツウプナカは農耕の神にまつわる大切な行事。 村民の農作物がゆがぷうを作っていくことを4カ所の祭場で願いたい」 と述べた。
  宮古新報

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