マンゴー出荷始まる、JA共選が本格的に
共同選別したマンゴーを出荷箱に入れる集荷場職員たち
=JA平良集荷場
宮古地区の2013年産マンゴーの出荷が始まっている。
開花期のバラつきなどもあって例年より1カ月ほど早まっており、 ピークは例年通り7月中旬頃だが緩やかに長引くと見られる。 生産量は大幅に落ち込んだ前年から回復して過去最高水準が期待される。 JA宮古地区野菜果樹生産出荷連絡協議会マンゴー部会は、 今期からJAあたらす市場への出荷も含めて本格的な共同選別に取り組んでいる。 宮古産マンゴーは生産量の増大とともに品質の不均質などが顕著化しており、 統一規格とそれに応じた販売で産地化を目指す。
マンゴー部会はJA平良集荷場で先月末から入荷と共選を始めているが、 今週に入って徐々に数量は増えており、 4日は約100㌔が出荷され、 重さや色の乗り方などで選別。 ほとんどが隣接するJAあたらす市場の店頭に並べられた。 出荷は前年より約1カ月早く、 ピークは7月中旬頃と見ているが 「緩やかに長引きそう」 だという。 ギフトシーズンには化粧箱も多用するが、 8~9割はパック詰めで販売する。
今期からJAあたらす市場の出荷農家も同部会に加入する形で共選に参加する。 これまでは農家個々で選別や箱詰めをしてきたが、 品質や規格、 価格がばらばらで消費者の混乱を招きかねないと懸念。 店頭での説明が難しく、 販売後のクレームも多かったという。 JAが全量を買取り、 県の規格に沿って選別。 定時・定量・定質の安定出荷で市場の信頼を高めて産地化を目指していく。
同農協の担当者は 「共選によって品質を統一するだけでなく、 数量が集まることで様々な注文にも対応できる。 C級品や 『わけあり』 でも売れる。 定着には販売先の信頼を得られるかが課題。 どの商品を見ても 『宮古のものは大丈夫』 となる必要がある。 ことしがそのスタート」 と話す。
ことしから共選に参加した平良下里の農園関係者は 「全量買い取りにより公正な基準で見てもらい、 それに応じた価格で出荷してもらえる。 どの農家も良いものの売り先はあるが、 中間クラスは厳しいので期待している。 この時期、 あたらす市場に並べて観光客に買ってもらいたい」 と話していた。
県農林水産センター農業改良普及課によると、 今期は開花時期が早く全体的にバラつきがあり、 収穫期間は長くなると予測。 4月末の調査では着果率が54%で不作だった前期に比べて21ポイント上昇しているが、 一昨年よりは低下しているという。 前期は開花不良などで生産量279㌧と大幅な減産となった。
また宮古地区果樹生産対策協議会は7日午後2時から、 県宮古合同庁舎講堂で目揃え会を開催する。 対象はマンゴー農家。 品質、 出荷規格等を確認する。 同協議会では多くの農家に参加を呼びかけている。
宮古新報