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クロツラ 韓国に (OKINAWA)

2013年6月11日 - スタッフ公式
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受難のクロツラ 韓国に無事帰郷
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くちばしに釣り糸のようなものが絡まったクロツラヘラサギ
=2012年3月4日午前、本島南部
(比嘉盛一さん撮影)
 豊見城市内でくちばしに釣り糸が巻き付いた状態で見つかり、2012年に一時保護、放鳥されたクロツラヘラサギが5日、繁殖地である韓国仁川の人工島で確認された。
10年に沖縄へ飛来後、生まれ故郷の韓国に戻るのは初めて。日本や韓国で話題になった個体で、インターネットのフェイスブックなどで情報を共有し、見守ってきた愛鳥家らは「鳥肌が立つほどうれしい」と喜んでいる。
(福元大輔)
 10年に韓国で生まれ、飛来地を調査するための「K96」の標識が右脚に付いている。同年11月に越冬地の沖縄へ飛来。
その後、一度も韓国へ帰っていなかった。12年3月には針のついた釣り糸がくちばしに巻き付き、えさを十分に食べられない状態で発見された。
県や環境省が保護、治療し、数日後に豊見城市の豊崎干潟へ放鳥した。
 「K96」は今春に沖縄を離れたとみられ、奄美大島を経て5月上旬に熊本県で確認。その後、福岡県を経由し、韓国へ到着したとみられている。標識が付いていることから注目され、飛来情報がフェイスブックで報告されていた。
韓国の愛鳥家は「死にかけたK96が故郷へ戻ってきた。助けてくれた沖縄の人々に感謝したい。ありがとう」とコメントを書き込んだ。
 クロツラヘラサギは東アジアのみに約2千羽が生息する世界的な絶滅危惧種で環境省は「ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い」としている。朝鮮半島北西部が繁殖地で、日本へは越冬のため少数が飛来する。繁殖可能な個体は通常、春になると、繁殖地に戻るという。
 豊崎干潟近くの豊見城市立豊崎小学校PTAで、クロツラヘラサギの観察会などを企画した宮城国太郎さん(38)は「子どもたちも野鳥の飛来を楽しみにしている。繁殖に成功し、次は幼鳥と一緒に沖縄へ来てほしい」と期待している。
  沖縄タイムス

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