演劇「ないちゃーず」 移住者会話コミカルに
県外からの移住者たちの居酒屋での会話を描いた「ないちゃーず」の舞台。左から幸地尚子、桃原和希、泉川慧太、嘉手納良智、田原雅之=7日、那覇市・シアターテン
演劇のシアターテンカンパニー(仮称)の「ないちゃーず」(増田静作、田原雅之演出)が7日から、那覇市のシアターテンで上演されている。
沖縄に住み着いた「ないちゃー」たちが、居酒屋に集まって模合を開き、沖縄の魅力や県外にはない習慣を面白おかしく語り合う設定。
沖縄についての興味とは別に、それぞれへの興味や会話がないという関わりの空疎さが、模合がマンネリ化する中で浮き彫りになっていく。初日の公演を観た。
(玉城淳)
主な登場人物は、ネットで沖縄情報を紹介するホームページ(HP)を立ち上げている愛知県出身の福岡(嘉手納良智)、ダイビングインストラクターで福岡出身の七尾(幸地尚子、劇団O.Z.E)、北海道出身で調理学校に通う北川(桃原和希、フリー)
と北前(泉川慧太)。
HPを通して知り合った4人が集まるオフ会を活性化させようと模合を始め、それと連動するように神田川(宮城愛未)や神田川のバイト先のコンビニの店長・仲村渠(田原雅之)、模合会場の居酒屋の店員・前川(トリプルキャスト、7日は大山瑠紗)が現れるが、停滞感は変わらない。
沖縄での夢を熱く語る福岡や、どこか斜に構えた七尾、きちょうめんな北前、無口な北川など4人の役柄が丁寧につくり込まれた。
県外に「どうせ帰るんでしょう」という酔った仲村渠のせりふは、県外出身の増田が書いたということでよりアイロニカルに響く。
沖縄移住ブームが落ち着いた現在、2001年の初演時よりも強いメッセージ性を帯びる。
仲村渠役の田原は、淡々とした筋運びの中で、そこだけ重力が変化したような存在感を示したが、もっと沖縄の酔っ払いらしい破綻があってもよかった。
11日午後7時にも上演。
問い合わせは同所、電話090(9493)7490。
沖縄タイムス