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海洋温度差発電で通電式 (久米島・OKINAWA)

2013年6月17日 - スタッフ公式
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久米島の海洋温度差発電で通電式
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通電式で発電のスイッチを押す(前列左から)川上好久副知事、島尻安伊子内閣府政務官、平良朝幸久米島町長
=久米島町の海洋温度差発電実証実験施設
 【久米島】県は16日、久米島町の県海洋深層水研究所で、海洋温度差発電(OTEC)実証プラントの「通電式」を行った。OTECは再生可能エネルギーの一つで、太陽で温められた海面の表層水と、海洋を循環する冷たい深層水の温度差を利用して発電する仕組み。世界的にも研究事例が少なく、最先端のプラントという。来年度まで気象条件の変化などによる発電データを蓄積・分析し、実用化への可能性や課題を探る。
 プラントは最大出力50キロワットのタービン発電機、データ分析を行う施設などを備える。「作動流体」(沸点が低いアンモニアや代替フロンなど)と呼ばれる媒体を表層水の熱で気化、その圧力でタービンを動かし発電する。その後、深層水で「作動流体」を冷やして液体に戻し、再び表層水で温め、循環させる。
 OTECは表層水・深層水とも水温変化が小さく、発電出力が安定しているのが特徴。両水温の温度差が20度以上の亜熱帯・熱帯地域で有望視され、沖縄は適地の一つ。発電後の深層水を水産業や農業など多分野で複合的に利用できるのもメリット。ただ、深海から大量の海水をくみ上げるのにコストがかかり、発電の効率化などが課題となっている。
 プラントは県が一括交付金(約5億2千万円)で整備。ことし3月までに完成し、4月から稼働している。
 同日の通電式は、6月12日の「海洋深層水の日」に近い日曜日に合わせて催され、島尻安伊子内閣府政務官、国や県、町の関係者、設備業者、ハワイを含む国内外の研究者が出席した。17日には町主催の講演会も開かれる。
 川上好久副知事は「化石燃料に頼る沖縄にとって、エネルギーの多様化は重要な課題だ。海洋温度差発電は沖縄の特性を生かした地産地消型のクリーンなエネルギー。世界に先駆けた実証実験、その成果に期待したい」と述べた。
  沖縄タイムス

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