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県内で広がる性的少数者支援 (OKINAWA)

2013年7月3日 - スタッフ公式
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県内で広がる性的少数者支援
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性をテーマに授業する芳澤さん
=うるま市・ぐしかわ看護専門学校
 性的少数者であるLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの略)への支援が県内で広がっている。14日開催される国内初の支援イベント「ピンクドット沖縄」は那覇市が共催したほか、県内企業が協賛に名を連ねる。学校現場で性的少数者問題についての授業も増えている。
 (村井規儀)
相談が増加
 ピンクドット沖縄を共催する那覇市。同市なは女性センターの仲村宮子さんは「イベントは市の男女共同参画取り組みと合致する」と意義を話す。センターには近年、LGBTに関する相談が増加傾向だという。「性的少数者が増えたのではなく、相談できるという認識が徐々に広がっているのだと思う」と仲村さん。12日にも関連講座を開催し、同問題の発信を続けていく方針だ。
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LGBTやジェンダーに関する書籍フェアを開催中の
ジュンク堂書店では、フェアの初日にトークショーも開かれた
=6月29日、那覇市
 ピンクドット沖縄実行委に「ブック募金」の形で支援しているのが静岡県の中古品買取専門店プレジャーワークスだ。同社代表の天野尊康さんは「趣旨を聞き即決で決めた」と話す。
 同募金は不要になった本やDVD、ゲームを売却した際、その買い取り金額を全額、NPO法人や団体に寄付できるシステム。これまでにすでに沖縄県内から約40冊の書籍が届いた。
 同実行委共同代表の砂川秀樹さんは「この種のイベントで市町村や地元企業の協力を得られることは珍しい」と支援の広がりを歓迎する。
 那覇市のジュンク堂書店では6月29日から、「愛のかたちと社会のかたち」と題しLGBTやジェンダーに関するブックフェアを開催中だ。同書店で同種のブックフェアは初めて。専門書の他に小説やコミック、エッセーなど幅広いジャンルで約70点をそろえた。
 細井実人店長は「LGBT当事者が周りにいないと話す人も多いが、実は多くの当事者が名乗れずに生きている。問題の解決は、まずは知ること。本から知識を得て気付きが生まれ、当事者が住みやすい社会づくりに参加できる」と本の力をアピールした。
教育現場も
 「多感な時期だからこそ、考えるチャンスを多く与えたい」と、
教育現場からの支援を促すのは県立芸大准教授の芳澤拓也さん。非常勤教員を務めるうるま市のぐしかわ看護専門学校で砂川さんを講師に招き、性的少数者と社会をテーマに授業を企画した。
 芳澤さんは「名簿や制服で男女を明確に区別するなど、学校では性的少数者が追い込まれがち」と指摘。1学級に1~2人の割合で性的少数者がいるといい、恋愛話のような何げない会話にも想像力を働かせたいと提案した。
 砂川さんは、異性愛を前提とした社会では性的少数者は疎外感や感情の抑圧で絶えず傷つけられており、それが高い自殺傾向につながると説明。また、米国での同性婚認定を例に「『変わった』のではなく、当事者や支援者が『変えてきた』」と行動する意義も話した。
 看護師を目指す新屋敷勝大(しょうだい)さんは「同性愛が普通とされる社会が望ましい。一人一人が理解し実現につなげたい」と感想を述べた。
  沖縄タイムス

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