被災者へ民謡の贈り物 大浜用能流保存会
宮城で音楽の交流
八重山古典音楽大浜用能流保存会の知念清吉会長ら10人はこのほど、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町と仙台市若林区を訪れ、仮設住宅で暮らす住民らを前に八重山民謡や「島人ぬ宝」など沖縄ならではの音楽を披露した。
同保存会で民謡を学んだやえやま東北人会の水上綾子会長が出身地の仙台市に戻ったことを機に、同保存会のメンバーが出張演奏を計画したもの。
同区日辺(にっぺ)地区の仮設住宅では高齢者ら住民約30人が鑑賞に集まり「安里屋ゆんた」では「さーゆい、ゆい」と口ずさむ人も。最後のモーヤーでは会場が一気に笑いの渦に包まれた。
住民からは漬物のもてなしを受けた。
集まった人のなかには「いつも泣いてばかりいるけど、今日は楽しかった。楽しい気持ちのままお家に帰るよ」と話す人もいた。
仮設住宅の関係者は「慰問も少なくなり、私たちのことが忘れられてるのではないかと思い始めているころだったので、今回の訪問はとてもタイミングが良く、みんな喜んでいる」と話していた。
南三陸町では町内のホテルで演奏を披露。被災地支援で訪れた沖縄の自衛隊員から三線を習った地元の子どもたちのグループ「サンシンズジュニア」からも13人が参加し「上を向いて歩こう」などを披露して同保存会のメンバーを感動させた。
八重山毎日新聞