勇壮ツナヌミンに沸く 盛大に四カ字ムラプール
豊年祭
今年の五穀豊穣(ほうじょう)に感謝し、来夏世(クナツユー)の繁栄と豊作を祈願する四カ字のムラプールが27日午後、石垣市新川の真乙姥(マイツバ)御嶽で行われた。各集落や団体が旗頭や太鼓、巻き踊りなどを奉納した後、女性だけの「アヒャー綱」や勇壮なツナヌミン、大綱引きなど一大絵巻が次々に繰り広げられた。会場には大勢の市民や観光客らが訪れ、熱気漂う島最大の豊年行事を満喫した。
ムラプールの開始時刻が近づくと、会場周辺には各字や公民館、団体の旗頭が集結。
新川字会の入嵩西正治会長が「自然界からの袖果報(スディガフウ)がいただけるよう皆様方とお祈りしたい」とあいさつした後、新川字会が「田」と「矢」の旗頭を奉納。記旗(シルシバタ)と五穀(グク)を持った子どもたちを先頭に、長老(ウヤジュウ)や麾(ザイ)、鼓(ツヅン)などを次々に奉納した。
引き続き双葉公民館、大川、石垣、登野城字会、JAおきなわ八重山地区本部、石垣島製糖、石垣市役所、八重山農林高校、石垣中学校が旗頭や太鼓、巻き踊りなどを披露した。
「五穀の種子授けの儀」では、東から五穀の種子を持った農の神が西から来た巫女(みこ)に種子を授けた。
女性だけで行う「アヒャー綱」では、今年のブルピトゥ(棒貫人)の入嵩西トミさん(68)が神司から受け取ったブル棒で雌雄の大綱をつなぎ合わせると、取り囲んだ女性たちが「サァー、サァー、サァー、サァー」と掛け声を上げながら乱舞し、一気に盛り上がった。
ブルピトゥの大役を務めた入嵩西さんは「素晴らしい大役を果たせたのも周りの皆さんの支えがあったからこそ。一瞬だったが、本当に感動した」と感激した様子で語った。
この後、綱引きをすると豊作になると伝えられている真乙姥御嶽の西側に市民らが綱を持って移動。日が西に傾きかけたころ、東西からなぎなたとカマを持った武者が登場し、勇壮なツナヌミンを演じた。
最後は東西に分かれて市民や観光客たちが大綱を引き合い、祭りはクライマックスを迎えた。
八重山毎日新聞