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綱編みに活気 大綱引き(東村有銘・沖縄)

2013年7月29日 - スタッフ公式
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綱編みに活気 東村有銘で8月3日大綱引き
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掛け声に合わせ、わらを編み込む区民ら
=東村有銘区公民館
 東村有銘区の3年に1度の伝統行事、8月3日開催の「有銘大綱引き」に向け、区民が綱編み作業に奔走している。
1986年に復活させ、今夏で10回目の節目を迎える。
大綱は直径70センチ、長さ70メートル、重さ3トン。区公民館周辺では連夜、わらを束ねて編み込む青年・成人会の掛け声が響き、活気づいている。
当日早朝からは区民総出で仕上げにかかる。「祖先が残してくれた伝統を守りたい」と、綱を編む手は力強い。
 大綱引きは健康と豊作を祈願するもので、起源は1892年ごろという。沖縄戦と1959年のシャーロット台風で2度中断、71年を最後に途絶えていたが、区民の強い要望で86年に復活。区民が「祖先が残してくれたもの」「それはもう楽しみ」と語る、特別な伝統行事だ。
 水田地帯として栄えた時代は、各世帯5束ずつわらを出し合っていたが、水田がなくなった今は、金武町伊芸区の農家から約5千平方メートル分を買い取っている。
 区民総出でたった1日で仕上げた時代もあったが、人口の減少が進んでからは、開催当日の2週間前から青年会や成人会を中心に、40~70メートルの7種類の長さの綱を計14本、汗だくになって編む。旗頭やちょうちん作りは老人会の担当で、区内の一体感が心強いという。
 大綱引き復活時に区長を務めていた具志堅興徳さん(89)は、後輩たちの作業を見守りながら、「仕上がったら初めて見る人はびっくりするよ。伝統行事はいつまでも続けてほしい」と語る。
 作業を通して世代間の交流が図られ、公民館には綱編みの掛け声と笑い声が響く。区民の田場兼公さん(67)は「手にまめができて大変だけど力を合わせればできる」と完成を心待ちにしている。
 当日は村外からも参加できる。綱編み作業は午前8時から、大綱引きは午後8時から。綱引き本番は電灯をすべて消し、たいまつの明かりだけで挑む。
宮城毅区長は村外で暮らす郷友会会員に「祖先が生まれ育った古里に、皆さんが帰って来るのを待っています」と参加を呼び掛けている。
  沖縄タイムス

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